近年の日本食品業界を振り返ってみると、「HACCP」「ISO9001」という二つの規格が注目され、業種別や地域別において研究・取り組みが活性化している。
良くある質問では、自社でグローバルスタンダードに取り組みたいが「HACCP」と「ISO9001」のどちらにすべきか聞かれる機会が多い。
結論から言うと二つの規格は意図している目的が異なるので、自社の問題点や課題を理解して、組織としての品質向上をするのであれば「ISO9001」で、食中毒や大型の商品回収を防ぐには「HACCP」が適しているといえる。
それではISO22000の目的は何かといわれると「あらゆる食品取扱い産業で実現可能な食品安全のしくみ」である。HACCPに関して本誌読者はご存知のように米国NASAの宇宙食用に開発された手法である。
宇宙に持っていく、レトルトや乾燥状態の食品と我々が日常に消費する惣菜や菓子などを全て同じ基準でつくるというのは難しいかもしれない。
同時にHACCPは知られているようで、あまり知られていないがWHOとFAOの合同食品委員会(CODEX)が規格を策定しているが「規格要求事項」ではなく「ガイドライン」であり、特に審査を目的に作成された規格ではない。
本来CODEXの現行規格は「食品衛生一般原則」(CAC/RCP 1-1969,Rev4 2003)として食品産業への前提条件をガイドライン化し、その付属文書にHACCP(Hazard Analysis and critical control point)がついている。
つまり「食品衛生一般原則」を前提として、更にCCP管理をおこなえると安全性の確保が確実になるというものである。
そのガイドラインを引用し、HACCPの審査ができるように要求事項を様々な国や組織で、独自(?)に作成し、審査をおこなっている。つまり国際機関が作成した規格ではあるが、審査スキームとして国際標準化はしていないともいえる。