「よい審査員がいる審査登録機関を選ぶ?」
(相談)
現在、審査登録機関の見直しを検討中です。
やはり、審査登録機関を選ぶのであれば、良い審査員がいるところがよいのでしょう?どの審査登録機関にいるのか教えてくれますか?
(コーディネータ〜からのアドバイス)
実は、「審査が時間通り終わる」「不適合の指摘を出さない」「不適合の指摘を多く出す」等といった具合に、企業が審査という機能に望む状態によって、審査員の“良い”という評価もいろいろでてきちゃいます。従って、どういう状態を理想とされておられるのか、もう少し詳しく教えて頂きたいと思います。
ただその前に、個人的にちょっと気になる内容ですので、ちょっと追記しておきます。
実はこれまでもいろんな相談を受けてきたのですが、企業の担当者さんのお話で、「審査員が良い審査登録機関がよい」という視点が非常に多かったのです。
確かに、企業にとって(企業の目的に対して)“良い”と言える審査員の方が来訪してくれる方がより良いと思える気持ちは分かります。まったく企業の状況も理解せず、また、自らの価値観を強く押し出した審査をされてしまうとたまったものではありません。しかし、その、「審査員が良い審査登録機関」という視点を審査登録機関の選択基準として使ってしまうのも、本音を言うと少し不安もあるのです。というのも、これには2つの懸念事項があるからなのです。
1つ目の懸念事項は、少し冷静に考えてみると答えがでてくるのですが、審査員はある審査登録機関に登録されている所属員さんでしかないという事実です。もし仮に、「審査員が良いからあの審査登録機関を選んだ」ことになると、「所属員さんが良いからその組織を選んだ」いうことになります。少し具体的に通例のビジネスで考えると、「あの会社の営業担当者がよいからあの会社を選んだ」といった状態ということです。
確かにこういう方法は『1つの選択肢』としては存在するのでしょうが、これを前面に押し出して選択されることはないでしょう?会社の考え方、長期的な経営の安定度等、他にもいろいろな選択肢があり、これらが採用されない状態は少し不安ではあります。ただこれは私共の責任でもあるのですが、審査登録機関から、もっともっと情報公開等を積極的に実施してもらう必要はあります。
もう1つの懸念事項は「所属登録機関を変更したり、辞めたりする審査員が増えてきている」という事実です。これは、審査員はある程度企業で実績や経験を積み、第一線を終えた方が多いという状況もあるのでしょうが、体調不良や他の個人的な理由で辞められる方が増えてきているそうです。それから、皆様も実感されておられるでしょうが、5年ほど前のように、「ISO認証!ISO認証!」といったブームが去っていることもあり、審査登録機関としても、審査員に対しての対応(採用条件、教育、配置等)が難しくなってきているのでしょうか、審査登録機関を変更される方も増えてきているそうです。
そうなると、「審査員が良いからあの審査登録機関を選んだ」という選択の方法をされてきた場合、これまで以上に(これまでもあったのですが)、その審査員が居なくなっちゃう可能性が増えるため、やはりなんらかの組織を選ぶという視点が必要だと認識する機会はやってきそうであるという点です。
1つの100点の回答はありませんが、審査登録機関選びそのものは、認証をする限り発生する事項でもあるため、「審査員が良いからあの審査登録機関を選んだ」という選択方法だけではなく、他にもなんらかの自社なりの選択基準はもっておきたいものです。
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