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ISO9001の運用について

ISOを取得すれば不適合はなくなる?

ISOを取得していることと、不良品が発生するかどうかは関係ありません。事実、製品回収が多い会社でもISOは取得できます。

そもそも、『不良品の発生率』だけで判断するのは正しいといえません。なぜなら、業種や取扱製品などによって、不良品の発生率は異なるからです。

ISOが目指しているのは、不良品を0にすることではなく、『不良品を0に近づけるための仕組みを作っていく』ことです。

ISOシステムは『不良品やクレームは発生する』ことを前提に構築します。大切なのは、『製品の良し悪し』ではなく、決めたルールを守り仕組みどおりにできているかどうか。不良品が発生しても、それを速やかに回収し、原因を追究し、改善に結びつける仕組みがあることが求められます。

そして、『少しずつ改善していく仕組み』を社内に根付かせていくことで、『継続的に改善』していきます。ISOを構築しても、1年、2年では大きな変化は見られないかもしれません。

けれども、『常に会社が良くなるようにルール改正をする』仕組みをつくることで、会社は少しずつ良い方向に変わっていく。これがISO9001の考え方です。

ISO14001の運用

現在のISO14001は、環境マネジメントシステム(EMS)の規格です。環境パフォーマンスそのものの規格ではありません。ISOの審査を行う場合も、EMSの仕組みの審査は行いますが、環境パフォーマンスそのもので活動の評価をするわけではありません。例えば、環境パフォーマンスの結果が悪いからといって、直ちに「不適合」にはならないのです。

改正ISO14001の国際規格原案(DIS)を読むと、現在の規格と比べて、「環境パフォーマンス」という用語が格段と増えていることに気づきます。私がざっと数えただけでも、20カ所もありました。現在の規格ではわずか6カ所です。

ちなみに、「環境パフォーマンス」の定義が、DISと現在の規格では異なります。ただし、まとめれば、“環境側面の管理に関連して測定可能な結果”となるので、実質的な内容の変化はないと思われます。

ISO14001は、改正によって「仕組みの規格」から「パフォーマンスの規格」へ変わったのでしょうか。結論から申し上げると、そんなことはありません。DISの序文にもあるように、この規格がEMSの要求事項を規定しているものに変わりはないからです。

ただし、その条文では同時に、「環境パフォーマンスを向上することを可能にするような」EMSと述べており、現在の規格と比べれば、パフォーマンスをより強く意識したものと言えるでしょう。

例えば、「9 パフォーマンス評価」では、企業に対して、「適切な指標」を用いた環境パフォーマンスを評価するための基準を決定し、監視・測定を進め、その結果を分析・評価することを求めています。現在の規格では、定常的に監視及び測定するための「手順」を確立することなどを求めていると記載するにとどめ、やや曖昧な表現をしているのですが、これを具体的な表現に改めたわけです。貴社では、自社が設定している様々な環境パフォーマンスについて、どのような「指標」を設けて管理しているでしょうか。パフォーマンスの監視測定に弱い企業が少なくない中で、この改正はそれなりに大きな影響が出ると思われます。

また、力量の要求事項について、現在の規格では、「特定された著しい環境影響の原因となる可能性をもつ作業」を行う人に定めています。これに対してDISでは、「組織の環境パフォーマンスに影響を与える業務」を行う人に変更しました。力量の対象範囲を狭く設定している企業も少なくありませんが、パフォーマンスに関わる業務全体が範囲内にあることが明示されたわけです。

このように、改正後の規格は、引き続きEMSの規格ではあり続けますが、仕組みがうまく機能しているかどうかを判断する一つの基準として、従来以上にパフォーマンスの結果を見ていこうという方向になりました。「形だけのEMS」からの脱却が求められていると言えるでしょう。

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