ISO14001規格改訂(規格改定)でおさえておきたい7つのポイント


いつもご愛読いただきありがとうございます。

ISO総合研究所コンサルタントの千葉です。

 

いよいよISO14001も規格改訂が行われましたね。実に11年ぶりの規格改訂(規格改定)です。

通常は7~8年に1回変更されると言われていますが、今回は通常よりも長く運用されたことになりますね。

 

今回、ISO9001とISO14001は同時に新規格が発行されました。11月20日にはJIS規格も発行されましたね。

ISO14001の規格改訂(規格改定)で押さえておきたいポイントを、7つに絞ってご紹介したいと思います。

 

1.ハイレベルストラクチャー

ISO14001:2015版の運用ですが、「ハイレベルストラクチャー」という考え方が用いられるようになりました。

実は、これはISO27001の規格改訂も同じく「ハイレベルストラクチャー」の構成となりました。

大きな特徴としては、ISO9001もISO14001もISO27001も全部同じ章立てになる、ということです。

今までの各規格の章立ては以下になっていました。

 

ISO9001  8章立て

ISO14001  4章立て

ISO27001  8章立て

 

良く考えてみてください。

ISO9001もISO14001も持っている企業があります。

ISO14001とISO27001を持っている企業もあります。

しかしながら、今までの規格の場合、ISO9001とISO14001で同じ項目があるのに同じマニュアルに統合するのも一苦労でした。

規格改訂された2015年版では、ISO9001、ISO14001、ISO27001共に10章立てになりました。

今後は規格改訂をしやすい形で運用が可能になります。

 

2.規格改訂の時期

2015年9月にISO9001、ISO14001共に新規格が発行されました。

最終的には、

 

「2018年9月までに、新規格に対応した上で認証完了している状態」

が求められます。

 

ただし、注意してください。

審査を受ける=審査費用が発生します。

各企業ごとに毎年1回以上、審査を受けているかと思います。ISOの規格改訂に関わる審査は、毎年の維持審査(サーベイランス審査)・更新審査(再認証審査)と一緒に受けることが可能です。

いつから審査に対応できるかは、自社で登録している審査機関に確認してみてください。

 

3.組織の内部・外部の課題

ここからは、新規格に関わる事項です。

新規格からは、経営に関わる事項も見ていこう、という考えがあります。

そこで考えるべきなのが、組織の課題です。

内部の課題は、社内の取り組みをお考えください。人材育成、手順見直しによる業務の効率化、設備管理など。考えれば色々出てくるかと思います。

外部の課題は、イコール取引先と考えないでください。組織(企業)から見た外部は色々な観点があります。取引先、地域住民との兼ね合い、条例の変更、法律の変更、同業者で発生したトラブルによる影響、時代の変化、など。

考え方次第でいくらでも課題は見つかるかと思います。

 

4.利害関係者のニーズ及び期待の理解

これも新規格による新しい考え方です。

「利害関係者」は誰なのか、をまず決めましょう。ここも、イコール取引先とは考えないことをお勧めします。地域住民、協力会社、従業員の家族…。考えればたくさん出てくるのではないでしょうか。

利害関係者が決まったら、次にニーズと順守義務について考えましょう。

利害関係者から求められるもの、企業として順守すべきものが何なのか、を見直すきっかけになります。

 

5.リーダーシップ

今までは「トップマネジメント」という考えでした。組織のトップの権限を持ってISOの管理を行っていく、という考えですね。

しかし、考えてみてください。業務ごとに見て行った場合、本当に判断はトップマネジメントが行うのでしょうか?

新規格では、経営層がすべての判断を行うわけではなく、現場毎、業務毎にリーダーシップを発揮する必要性が出てきています。

最終判断を行うトップだけでなく、もう一歩現場に近い場所で運用する人の組織体が必要になります。

 

6.リスク及び機会への取組み

新規格で出来た新しい概念です。

リスク=「不確かさの影響」と説明されています。

機会=「何かをする良い時期」つまり、タイミングと考えてください。

 

はい、わかりづらいですね。(笑)

 

例えば、法令で考えてみましょう。

とある会社、株式会社Aでは、平成27年2月、悩んでいました。

平成27年4月1日に「フロン排出抑制法」が施行されるというのです。

しかし、平成27年2月時点では、まだ法律が施行前なので、「法律の改正」という情報のみです。

 

どの程度リスクがあるか、わかりませんね。

これが「不確かさの影響」です。どの程度リスクがあるかわからないです。

 

では、そこに対する「機会」はどうでしょう。

1.株式会社Aに「フロン排出抑制法」が該当するか確認する

2.「フロン排出抑制法」が該当する場合、何をしなければいけないか確認する

3.「フロンは移出抑制法」の順守評価を行う

というステップが必要になりますね。

 

この、1~3はいつやるのが良いタイミングでしょうか?

これを「機会」と考えてください。

 

ISO14001では「環境側面」がこの項番に該当してきます。

組織にとってのリスクと、それに対応する機会を考えていく場になります。

 

7.パフォーマンス評価

ここは、2004年版でもありました。「監視・測定」という項目になります。

新規格では、1つの大きい項目となって重視されるようになりました。

 

ここは、ISO14001を運用してみてどうだったか、自社で振り返る機会となります。自分たちのやってきたことが本当に効果があったのか、評価する場になります。

良く考えてみれば、重要視されるのも納得ですね。

今後、ここはPDCAの「C」と「A」が該当します。

内部監査やマネジメントレビューもパフォーマンス評価の一部になるとお考えください。

 

 

いかがでしょうか?

新しいISO14001と聞くと、つい身構えてしまうこともあるかと思います。

しかし、現状取り組んでいる活動を改めて見直す場とお考えください。

新規格では、より会社運営に即したISOが求められます。

是非、「自社でどんな活動をしているか」「ISOの中ではどこに該当するか」

と考えてみてください。


メールアドレス