ISO9001(アイエスオー9001)取得:金属加工会社で出した内部監査指摘事例



いつもご愛読ありがとうございます。ISO総合研究所コンサルタントの残田です。

 

今回は金属加工の分野でISO9001(アイエスオー9001)を取得されている会社についてです。その中でも内部監査に焦点を絞ってお話させて頂きたいと思います。

 

 

内部監査とはISO9001(アイエスオー9001)を運用していくためのPDCAサイクルの中でC(チェック)に当てはまるものです。日常のISO9001(アイエスオー9001)の運用が要求事項に適合しているかチェックする機会になるものですね。

 

 

それでは、ここからは当社でお手伝いをしている会社で実際にあった内部監査での事例を紹介しながらお話を進めていきたいと思います。

 

 

4.2.3 文書管理

 ①チェックシートや多くのデータシートを作成しているが、多くなりすぎて把握できなくなっている為、再度項目の見直し・整理等を検討してください。

 

 ②現状整理整頓を推奨していますが、ファイル等の管理について、あたらしいものをファイリングするものに2013年と記載があったりと、少し分かりづらい表記になっていますので、まずはこういった文書等から整理整頓することをオススメします。

文書管理に関する内容での指摘ですね。JISQ9001:2008(ジスキュー9001:2008)で要求されていることを簡単にまとめると、文書の発行前に承認する、文書の見直しを行う、最新版の管理をする、すぐ見られるようにする、容易に識別できること、古いものを間違えて使わないようにすることです。

 

①の指摘ではすぐ見られるようになっていないこと、②では最新版の管理ができていなくて、見にくい状態になっていることを指摘されています。ISO9001(アイエスオー9001)2015年版でも「7.5文書化した情報」で同じような内容が残っているので自社の文書がどのように管理されているか一度見直ししてみてはいかがでしょうか。

 

 

5.3 品質方針

 ①品質方針が社内に周知されていません。

 

こちらは品質方針に関する指摘がでていますね。これはJISQ9001:2008(ジスキュー9001:2008)の「5.3 品質方針」d)組織全体に伝達され、理解される。という要求事項を満たすことができていない為出た不適合です。周知する方法は会社によってさまざまなやり方があります。ホームページに掲載する、社内に掲示する、品質マニュアル内に文書化し周知する等がよく目にする方法です。ISO9001(アイエスオー9001)2015年版では「必要に応じて、密接に関連する利害関係者が入手可能である」ということも書いてあるので、ホームページをお持ちの会社であればWEB上に公開してしまうのが一番手っ取り早い方法になるかもしれません。

 

 

6.2.2 力量、教育・訓練及び認識

 ①内部監査員の力量について明確にすることを検討してください。

 ②力量表にて従業員の力量が明確にされていることを確認しましたが、教育についての記載がないので力量教育の計画を明確にすることを検討してください。

力量、教育・訓練及び訓練に関する記録についての指摘が出ています。また、内部監査に限らずISO9001(アイエスオー9001)の審査でも指摘されることが多い内容ですね。内部監査員は外部に委託しても問題ありませんが、審査では自社でも内部監査員を養成することを指摘されることもあるので、「力量表」や「スキルマップ」等に内部監査員の力量を明確に記載しておいた方が良いかもしれません。ISO9001(アイエスオー9001)2015年版でも7.2力量で「力量の証拠として、適切な文書化した情報を保持する。」ということを要求されているので、自社で該当する記録を確認してみてください。

 

教育に関しては「該当する場合には、その必要な力量に到達することができるように教育・訓練を行うか、又は他の処置をとる。」となっています。そのため、必要な力量を満たしている場合は教育を行う必要はありません。また、教育をするよりも経験者等、できる人を採用する方が有効な場合、このような対策でも問題ありません。

 

 

今回紹介したのは内部監査で出た指摘の一例ですが、このように内部監査等で不適合が出た場合は基本的には是正することを求められます。ただし、推奨事項や観察事項の場合は出た指摘の内容を検討し有効だと感じる場合には改善し、有効ではないと感じる場合には実施しなくても問題ありません。

 

内部監査や審査で出た指摘には納得できるものや、「ん?」と首をかしげたくなる内容等、本当に様々な内容があります。この指摘された内容によっては会社全体のルールを見直すことや部門のルールの見直し、現場での仕事の手順を変更しなければならなくなるものもあります。

 

実施することで良い影響が出るのであれば実施するべきですが、必ずしも会社が良くなるというものでもありません。反対に悪い方向に進んでしまうこともあり、ルールと実際の仕事が乖離してしまいISO9001(アイエスオー9001)が形骸化してしまう恐れがあります。

 

 

弊社では内部監査もサポートしておりますので、内部監査をどうやったらいいかわからない、ルールが重たくなってしまい困っているという方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度、弊社ISO総合研究所のコンサルタントまでお問い合わせください。


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