ISO9001規格改訂とISO規格改定、いったいどっちが正しいの?


 


ISO9001規格改訂とISO規格改定、どちらが正しいのでしょうか?

 

それぞれの言葉の意味を確認してみましょう。

 

【改訂】

書物などの内容の一部に手を加えて改めなおすこと。

(大辞林 第三版)

 

【改定】

すでに定められていた制度や規則などを改めて定めること。

(大辞林 第三版)

 

厳密にいうと、「ISO9001規格改訂」というのが正しいのでしょう。

 

今回は、

そんな言葉の解釈や、

勘違いされている用語の解説をしていきます。

 

ISO規格はもともと英語で発行されたものであり、

日本語に翻訳した際に表現や捉えられ方が異なるものがあるのはご存じの通りでしょう。

 

 

例えば、

このような表記についてはいかがでしょうか。

規定と規程。

 

【規定】

物事のありさまややり方を決まった形に定めること。また,その定め。

(大辞林 第三版)

 

【規程】

特定の目的のために定められた一連の条項の全体をひとまとまりとして呼ぶ語。

(「規程」が規則全体をひとまとまりとしてさすのに対し,「規定」は一つ一つの条文をさす)

(大辞林 第三版)

 

いかがでしょうか。

上記の定義に従って解釈しますと、

ISO上の管理文書の表記は、

「購買管理規程」「不適合管理規程」といった表記が正しいのでしょう。

 

 

他にも、

こういった用語についてはいかがでしょうか。

品質。顧客満足。トップマネジメント。

 

【品質】

本来備わっている特性の集まりが,要求事項を満たす程度。

注記1 “通常,暗黙のうちに了解されている”とは,対象となる期待が暗黙のうちに了解されてい

ることが,組織,その顧客及びその他の利害関係者にとって慣習又は慣行であることを意味する。

(JIS Q 9000:2006)

 

ここでいう「品質」には、

製品の質やサービスの質が含まれ、

顧客要求事項(明示されているものも、暗黙の了解となっているものも含む)、

法的要求事項、

それに加えて、

社内で要求されている事項や規格が要求している事項を満たすことが求められています。

要求事項を満たす程度としては、

「優・良・可・不可」のうち「可」以上であることが求められています。

ISO9001は「品質マネジメントシステム」と訳されていますが、

このような観点からみると、

上記4つの要求事項を満たすべく管理をするための仕組みということができそうです。

 

【顧客満足】

顧客の要求事項が満たされている程度に関する顧客の受けとめ方。

注記1 顧客の苦情は,顧客満足が低いことの一般的な指標であるが,顧客の苦情がないことが必ず

しも顧客満足度が高いことを意味するわけではない。

注記2 顧客要求事項が顧客と合意され,満たされている場合でも,それが必ずしも顧客満足が高い

ことを保証するものではない。

(JIS Q 9000:2006)

 

2000年前後にISO9001認証を取得された組織において、

今でも脈々と行われてきているのが顧客満足度を測るアンケートです。

いくつかの設問を設けて、

それらの設問に対して「1~5」のような評価項目を設定し、

取引先各社に毎年回答してもらうような形式です。

私共もお客様先に訪問させていただく際に、

この顧客満足度調査の有効性についてはよくお問い合わせをいただきます。

規格要求事項には、

決してアンケートを取得する必然性は述べられていませんし、

例えば顧客満足度調査における評価点数が、

必ずしも顧客満足の度合いと比例しているわけではないことが見て取れます。

 

下記の一文も参照してみましょう。

 

8.2.1顧客満足

注記 顧客がどのように受けとめているかの監視には,顧客満足度調査,提供された製品の品質に関

する顧客からのデータ,ユーザ意見調査,失注分析,顧客からの賛辞,補償請求及びディーラ

報告のような情報源から得たインプットを含めることができる。

(JIS Q 9001:2008)

 

いかがでしょうか。

顧客満足の度合いを測るアンケート調査を実施せずとも、

上記の例示のような調査・分析は、

自ずと組織内にておこなってはいないでしょうか。

昔から慣習的に実施しているからという理由で惰性のまま継続するのではなく、

一度自らの組織の中で実践していることを見直して、

より実効性の高い方法を検討してみてはいかがでしょうか。

 

【トップマネジメント】

最高位で組織を指揮し,管理する個人又はグループ。

(JIS Q 9000:2006)

 

一般的に「トップマネジメント=代表取締役」という概念をお持ちの組織もあるようです。

しかし、

上記の規格要求事項を見る通り、

必ずしも「トップマネジメント=代表取締役」である必要はありません。

 

例えば、

認証取得にあたって、

適用範囲を一事業部門に限定する場合があります。

その場合であれば、

該当事業部門長をトップマネジメントとすることもできますし、

該当事業部門を統括する役員的な立場の方とすることもできます。

また、

適用範囲を一工場に限定する場合であれば、

該当工場の長をトップマネジメントとすることもできます。

 

規格要求事項の解釈の仕方も、

時代と共に少しずつ変化しています。

規格は何も難しいことを要求しているわけではありませんから、

自組織の中でそぐわない現状があるようでしたらご相談いただければと思います。


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