スーパー銭湯で考える!ISO9001:2015年度版で追加された項目
いつもご愛読ありがとうございます。
ISO総合研究所コンサルタント山口浩史です。
2018年9月も終わり、皆さまISO9001:2015年度版への移行審査が終わったかと思いますが、ここで改めて、「追加された内容がどんなものか」を私の好きなスーパー銭湯を例にお話したいと思います。
私はスーパー銭湯に週2回以上行っているのですが、露店風呂で風を感じながら寝るのが大好きです。(笑)
最近のスーパー銭湯はマンガや雑誌、書籍が何千~何万冊あったりカラオケがあったりと多種多様となっています。
さて、ISO9001:2015年度版ですが、追加された内容は大きく4つあります!
①4.1 組織及びその状況の理解
②4.2 利害関係者のニーズ及び期待
③6.1 リスク及び機会への取組み
④7.1.6 組織の知識
スーパー銭湯を例に、ひとつひとつ解説していきたいと思います。
①4.1 組織及びその状況の理解
【要求事項】
1、組織にはさまざまな課題(うれしいことと悩ましいこと)があり、その課題をまず組織がそれを把握すること。
2、組織の外部(国際、国内、地方又は地域を問わず、法令、技術、競争、市場、文化、社会及び経済の環境など個人ではどうにもならないこと)と内部(組織で頑張ればどうにかなりそうな)課題にはどのような事柄があるか明確にすること。
3、状況は常に変化するので、常にどう変化しているか把握すること。
【具体例】
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プラス面 |
マイナス面 |
内部課題 |
・露天風呂からの景色がよくて大人気。
・ごはんがおいしい。
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・従業員が高齢化していること。
・従業員が足りなくて施設内の清掃が追い付かないこと。
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外部課題 |
・外国人から人気。
・高級で競合が少ない。
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・お風呂が家にあるのは当たり前の時代にどうしたらお金を払ってまで来てくれるか。
・駅から遠い。
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②4.2 利害関係者のニーズ及び期待
【要求事項】
1、利害関係者(お客様、従業員など)を明確にすること。
2、利害関係者のニーズと期待とは何か
3、状況は常に変化するので、常にどう変化しているか把握すること。
【具体例】
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ニーズ |
期待 |
お客様 |
清潔 |
四季を感じられる |
従業員 |
週休2日 |
働きやすい環境 |
③6.1 リスク及び機会への取組み
【要求事項】
1、上記の4.1、4.2を考慮して危険な失敗(リスク)や成功のチャンス(機会)を決めること
2、リスクと機会に対して計画を立てて、失敗を減らしたり、成功を手に入れるようにする。
【具体例】
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課題 |
ニーズと期待 |
現状を踏まえてどんなことがあるか |
機会 |
・露天風呂からの景色が良い。
・外国人から人気。
・ごはんがおいしい。
・駅から遠い。
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・四季を感じられる
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・長所を活かしてツアー旅行や日帰りバスツアーのコースに入れてお客様数を増やす。
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リスク |
・従業員が高齢化している。
・従業員が足りない。
・外国人から人気。
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・清潔
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・外国人との文化の違いによるクレーム増加。
・従業員不足による美観の維持管理。
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こうしてみると4.1⇒4.2⇒6.2と繋がっているのがわかります。
④7.1.6 組織の知識
【要求事項】
1、必要な知識は明確にし、常に蓄積されみんなが活用できる状態でないといけない
2、組織の知識は内部の知識源(経験から得た知識、失敗から学んだ教訓、経験者のノウハウなど)と外部の知識(お客様の声、メディアの情報など)
【具体例】
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知識の参照先 |
内部の知識 |
・作業マニュアル
・クレーム報告書
・ベテランのスキル
など |
外部の知識 |
・雑誌
・インターネットの評価
・設備点検業者のスキル
・消防法
など |
まとめ
こうして①~④の内容を見てみるとほとんどの企業が当たり前のようにしていることをISOの規格が求めていることになります。
昔のISOと比べると、文書や記録の重要性が減り、規格がより経営に近づいてきています。
ISOというと毛嫌いする方もいらっしゃると思いますが、実は今のISOは皆さまが無意識の内に実行していることが多くありますので、「ISOなんて知らないよ」「ISOなんて俺はまったくやってないよ」と言わなくて大丈夫です。
最新版のISOは、従業員の味方です!
難しく考えず、たまにはスーパー銭湯に行って気分転換してみてください!(笑)
うちの状況に当てはめると、どうなるの?
この部分がよく分からない!等ございましたら、下記よりお気軽にお問い合わせ下さいませ。