2015年版 10. 改善 規格解釈

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面白いブログを期待して見に来た皆さん、はずれです。真面目なお話の時間です。

ISO総合研究所の藤川です。

いつもご愛読ありがとうございます。

さて、今回は2015年版の10項規格解釈についてご説明できればと思います。

 

まず、規格要求の確認をしてみましょう。

10. 改善

10.1 一般

組織は,顧客要求事項を満たし、顧客満足を向上させるために、改善の機会を明確にし、選択しなければならず、また、必要な取組みを実施しなければならない。

これには、次の事項を含めなければならない。

a )要求事項を満たすために、並びに、将来のニーズ及び期待に取り組むための製品及びサービスの改善

  1. b) 望ましくない影響の修正、防止又は低減
  2. c) 品質マネジメントシステムのパフォーマンス及び有効性の改善

注記 改善には、例えば、修正、是正処置、継続的改善、現状を打破する変更、革新及び組織再編が含まれ得る。

 

・意図として、
規格は、製品サービスの顧客満足を追求により組織の発展を計画して品質経営に役立てようと規定しています。その基本要件は、顧客満足を高くしてその状態に関する経営戦略をその時代の方向性に整合させ、それを確実に実現させるための活動として品質経営活動を行うことであり、規格の規定はこれを、品質経営と製品サービス実現との関係性は2種類のプロセスアプローチ/PDCAサイクル形で示していますよ。

規格では、狙いの顧客満足の理想の状態を確実に実現させるための品質経営のプロセスアプローチ/PDCAサイクルにおいて、業務が品質経営体制の計画(6.1項)又は製品サービス実現の計画(8.1項)で決められた通りに行われ、決められた通りの結果を確実に出すように業務実行管理の活動に含まれています。その中で実績評価(9章)で、決められた通りではないと判断及び製品サービスに関して必要な処理をすることを「改善」の活動としています。10章は効果的な品質経営活動に必要な改善の活動を取り上げ、狙いの顧客満足の状態を確実に実現させるという目的で動いています。
 

 
(2) 規定の狙い
JIS和訳「改善の機会」の英文は“opportunity for improvement”と記載があり、どこをどのように改善できるかという意味での「改善の可能性」「改善の余地」のことであり、「改善の機会を明確にし、選択しなければならない」は、不適合と関連付けた、問題が起きた事に対しての対策の時間をちゃんと作りましょうとの意味です。

組織が活動によって、顧客満足の状態を増長させるためには、決められた通りに業務を行い決められた結果を確実に出すための業務実行管理の活動をしっかり絞り、業務を実行する中で、実績評価の活動において狙いの通りでないと判定された業務結果及び製品サービス、すなわち、規格では「不適合」、実務では「不良や異常」が原因となって狙いの最高の顧客満足の状態が不可能にならないように、それら不適合ないし不良や異常に対して適切な改善の処置をとるようにしていきましょう。という事です。

これら改善の処置が効果的であるためには、処置を決める場合にa)~c)の観点を考慮しなければならず、処置は10.2項又は10.3項に則って行わなければならない。 a)は、狙いの仕様と品質の製品サービスを確実に実現させて顧客に引き渡すこと、b)は、当該の不良や異常に起因する新たな問題発生を防止すること、c)は、不良や異常の再発を防止することです。 JIS和訳「改善の機会」の英文は“opportunity of improvement”であり、どこをどのように改善できるかという意味での「改善の可能性」「改善の余地」のことであり、「改善の機会を明確にし、選択しなければならない」は、不適合とそれに関係する悪影響を無くすための改善の処置を検討し、適切な処置を決めましょうという事です。

(3) 08年版からの変更点
規格の「改善」が狙いの通りでないとして見出された問題ある活動業務に対する処置であることには08年版も15年版も変わりはありません。15年版では共通テキスト化によりプロセスアプローチ/PDCAサイクルの管理/Cと継続的改善/Aに相当する業務を9章と10章に分けて記述したため、08年版の8.1項の記述を9.1.1項と本項に分割したものだけの認識で大丈夫です。08年版8.1項の業務実行管理に関する規定の「…のために必要となる…のプロセスを計画し、実施しなければならない」の「改善」に関する部分を本項として一つにして、「改善」の必要性の規定の表現を変えて、改善の観点を明示的に規定したものであり、規定の趣旨はなんにも変っていません。
 

 

 

  (4) 改定版への移行対応
➀ 品質経営体制の指針として規格を実践する組織
08年版の8章の中の記述又はその背景の業務実行管理における「改善」の活動の実態を抜き出し、整理すれば大丈夫です。
② 認証取得の条件として規格を認識し、負荷と効用に不満を持つ組織
トップマネジメントが経営目標の狙いの顧客満足の状態の実現のために重要と考える業務が期待した出来ばえでないことが判明した時に、どのような場合にどのような処置をとることを考えているのか、或いは、どのような処置をとってきたのか、考えて記載すれば問題ございません。

 

以上です。

もしご不明な点あれば是非一度弊社までご連絡くださいませ。

 

ISO14001規格対応って何するの?

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ISO総合研究所 コンサルタントの藤川です。
いつもお読みいただきありがとうございます。さて、今回はISO(アイエスオー)のISO14001規格対応について、お話していこうと思います。

2015年版に反映されている規格改訂対応について大きく変更分けされている点と言えば、やはり項番です。

他のISO規格と統合しやすいように、章立ての共通になった事が主な内容になります。
メインで統合しやすい規格としては、9001:2015・27001:2013・39001:2012が同じ章立てで構成されています。
章立てが統合された事によって複数の規格でも1つのマニュアルに当てはめる事が可能になりました。
その他にも、各項番の名前が変更になりました。
以下に変更点を記載いたします。

ISO14001:2004               ISO14001:2015
4.  環境マネジメントシステム要求事項    |  4組織の状況
4.1 一般要求事項              |  5リーダーシップ
4.2 環境方針               |  6計画
4.3 計画                 |  7支援
4.4 実施及び運用             |  8運用
4.5 点検                 |  9パフォーマンス評価
4.6 マネジメントレビュー         |  10改善

以上になります。
さらに、上記の項目を見るとわかりますが、大きい変更として要求事項が新たに3つ追加されています。
簡単な概略を記載します。

(1)組織及びその状況の理解
ISOの仕組みを単に認証のため、審査のために構築することを目的とせず、企業のプロセスを重視して構築していきましょうと要求しています。
組織の目的及び戦略(方針)を明らかにした上で、それに関係するヒト・モノ・カネ全てに当てはめて考えていきましょうという事です。
今までは、自分達に関係性があり、尚且つ管理できる所を管理していこうという仕組みでしたが、
今回は、企業の市場(マーケット)の変化等の対応を考え、仕組みを構築していこうという事です。
例えば、委託企業などでも管理できる要素や環境に軽減に訴える事ぐらいはできると思います。
そのような環境への配慮を自社だけで管理せず皆に広めていきましょうという事です。

(2)リスク及び機会への取組み
会社としてのリスクに対する取組み方法を決めることを要求しています。
今の規格(ISO14001:2004)では、発生を未然に防止する策として、その対応計画を定めるという予防処置という項目があります。
この予防処置という項目が新規格ではなくなり、代わりとして出てきたのがこのリスク及び機会への取組みです。
自社環境におけるリスクを予防していこうという考えではなく、もっと大きくリスクを考えることが要求されていることが大きな変化です。
サイクルで考えるとPDCAのA(改善)で対応していた予防処置とは違い、P(計画)の段階で起きるかもしれない。起きた後の対応じゃなく、事前に対応していこうとの考え方に変更いたしました。
これにより、事前に起きるかもしれないという考え方がひろがります。
この業務は環境違反している可能性はないか?この製品で環境への負担はないのか?等
事前にリスク対策していく仕組みが必要になってきます。
そしてそのリスクの取組みの方向づけを一つに絞り、明らかにすることが必要です。

(3)パフォーマンス評価の重視
現在のISO14001(14001:2004)には、環境パフォーマンスという自社でやっている環境を考慮した動きってどんなのがあるのかを把握しよう。という項目がありましたが、新規格(ISO14001:2015)では、「箇条9パフォーマンス評価」という大きな項目となりました。具体的な要求事項としては、品質又は環境パフォーマンスの評価を行うことを要求されています。簡単に言うと、必ず自社でやった環境への取り組みをちゃんと把握して何点か決めてしまおうと言うルールです。
主な取り組みとしては以上となりますが、少しだけ変更している箇所もよく見てみると出てきます。
以下の項目が少し変更されている項目です。
次回のブログ内容に繋げるためにも一言解説させて頂きます。

・環境マネジメントシステム
└自社のビジネスプロセスにより重きをおいてISOに組み込んでいきましょうという事です。

・汚染の予防
└今までは自社で考えられる範囲でしたが、ISO14001:2015では組織が業務を行う上で関係する全ての組織の環境も考慮しなさいと言われています。

・環境状況(生物多様性・気候変動など)
└環境は生物によって様々なのでその旨も考えておきましょうねという事です。
また、気候についても考えていきましょうねという事です。

・環境目的が環境目標に統合
└環境の目的と目標が一つにまとまっただけです。
今までの考え方で特に問題ありません。

・環境パフォーマンスの向上を目指す
└環境の考え方をもっと持ち強くしていきましょうという事です。

・ライフサイクルを考慮した環境側面の特定が要求されている
└自社の業務に関係ある環境の影響をしっかり特定していきましょうという事です。

・コミュニケーションの内容がより細かく要求されるようになった。
└形だけのコミュニケーションではなく、もっと関係性のある人だけに限定したりすることでコミュニケーションの場を増やそうという事です。

・順守義務を達成するよう要求されている。
└自社で把握したルールはしっかり守りましょうと言われています。

以上です。
こう見てみると以外とそこまでの変更はありません。
より業務に特化したISOを意識すると新規格への対応もやりやすくなるかもしれません。

「審査員に聞きました!ISO14001規格改訂でここを指摘したい!」

いつもご愛読ありがとうございます。
ISO総合研究所コンサルタントの藤川です。

 


さて、2015年に開始されたISO14001の規格改訂もあり、つもる次回審査に向けて皆様ご準備していると思います。
このISO 14001:2015発行後、36ヶ月以内に移行を完了(認証書を発行)する必要があります。
今回、このブログを記載するにあたって、いくつかの審査機関に電話しました。
審査機関についても、

各審査機関の特徴として

①外資系

②古くからある審査機関

③現場を大事にする審査機関

④お客様数が減少傾向にある審査機関

に電話しました。


今回上記4つの審査機関に規格改定に伴った指摘事案を聞いてきましたので、下記に記載します。
ちなみに

①外資系④お客様数が減少傾向にある審査機関

からはお答えできないとの回答を頂きましたので

今回は②番、③番の審査機関から聞いたお言葉を記載させて頂きます。


②古くからの審査機関
・規格改定で見られるポイントはどこ?新項番はどこを見ますか?


⇒かなり変更されます。今回の規格改定は主に事業との統合捉えられているので、今までは受注金額等にスポットをあてていたが、今回は改定に伴って変更していく。

 9001は大分変更するか14001はそこまで変更はなし。
・規格改定に伴って現状確認されていた箇所も変わる?

⇒変わる。具体的にどこが変わるとは言えないが、規格としての守備範囲が変更になる。
14001では、例として委託先を見ていたが、ほんとに委託先だけでいいのか?委託先も考えなくてはいけないのではないか等、

深く突っ込む必要が出てく る。例えば、家電をリサイクルに出したとするならば、そのリサイクル業者は自社とどう関わり合いがあるのか?環境にどう影響してくるのか?等

・改善事項、指摘事項の判断基準は変わるのか?


⇒ 逆に統一される。現状、各項番について専門性・分野等によって個々の審査員の独特な意見が強くあったかもしれないが、今回の規格改定では、

社内で各要求事 項の切り口・言い方等を勉強している。もちろん時間がたつと個々の意見が反映されていくかもしれないが、現状では統一された考え方で審査に向かっていくと 思う。
前提として、移行審査では不適合は出さない考えを持っている。1社でも不適合をだすと、いくつかの不適合でこの考えは間違っていないなど、審査員同士の考えが合わなくなる

可能性を避けるため自社で1年間で良く考え、自社の仕組みに構築していってほしい思いがある。

・規格改定に伴って一番重要なのは??


⇒先ほども言ったが、基本的には指摘を出さない。しかし手順などを考えていないと不適合をださないといけないため、わからないなりにも変更、手順は構築してほしい。
こちらも手順を作っていると、会社として決定した目的・目標への道案内はある程度はできるからまずは、スタートラインを作る事を意識してほしい。

③現場系の審査機関
・規格改定で見られるポイントはどこ?新項番はどこを見ますか?


⇒規格改定で変わった場所をメインで見ます。もちろん以前と変わっていない場所も確認はしますが、規格改定に伴った移行審査では新しい規格項番の手順、及びルールが策定されているかを確認していきます。

・規格改定に伴って現状確認されていた箇所も変わる?


⇒基本的に弊社は新項番と現状あった項番ともに変更に関して変更するつもりはないです。


今まで通り、自社で行っている業務をどう組み込んでいけているかを確認していきます。
もちろん、新項番によって業務に直結した仕組みを構築しているかをメインで確認しますが、うちはもともと業務に直結しているかをメインで見ているので大きな変更はないです。


・改善事項、指摘事項の判断基準は変わるのか?


⇒変えるつもりもない。規格改定に伴った審査というが、基本は意識しなくてもよい。
もちろん手順が構築できていない、様式がないなどは指摘としてあがるが手順が無い事はない。必ずあるのでそれを見つける事が重要。そうすると文書化要求がなければ基本的には改善事項で終わる。


・規格改定に伴って一番重要なのは??


⇒一番重要して欲しい事は、ストーリー。どのように構築し、計画し、周知し、策定できたのか?そのPDCAサイクルが一番大事。会社に周知し、手順化できていれば後はその手順に対してアドバイスのような改善事項を出すだけ。


以上です。
どうしても会話調で聞いてしまったのでレポートみたいになってしまいましたが…(笑)
今回は2社からお伺いできましたが、2つの審査機関から強く言われた事がありました。
「わからないなりにも手順を構築すること。それが一番大事」との事でした。


たしかに、何かをスタートする為にはまずルール、やり方を策定すること。そしていかに従業員の方々にそれを周知するかが重要です。
そのスタートラインをどう構築していくのかを審査で確認されるかもしれません。


問題はスタートラインが目的に向かって真っすぐ向いているかどうか。
もし道しるべがずれているかどうか確かめたい時は是非弊社コンサルタントまで一度ご連絡くださいませ。
反れた道を戻すよう努力させて頂きます。