ISO9001を取得する費用はどこまでかければよいのか

-shared-img-thumb-PAK85_laladentakuOL20140321_TP_V

 

ISO総合研究所コンサルタントの福田です。

ISO取得の費用について取り上げたいと思います。

 

ISO9001を取得するために費用をどの程度見たらよいでしょうか。

この疑問はISO9001だけに限った話ではなく、ISO(ISO14001、ISO27001、ISO22301等)を取得しようと情報収集や検討を始めた時に必ず考えなくてはいけないところです。

実際に弊社にお問い合わせをいただく内容の中に、

 

 

「ISO9001を取得しようと考えているのですがいくらかかりますか?」

 

 

といった内容の案件が数多くあります。

それだけ不透明な費用体系ともいえるかもしれません。

また、事前の情報収集含めた準備からキックオフ、取得完了までどのようなことをしなければいけないのかがいまひとつ把握できていないという理由もあるかもしれません。

そうなると、きちんと計画作ったつもりだけどホントにこれだけ?と半信半疑になってしまうかもしれませんね。

当たり前の話ですが、ISO9001を取得する際にどんな手続きがあるのか、何をしたらいいのかなどが分かっていないと、費用感というのも概算ですらだせませんよね。

そして次のステップとして、全体の計画がある程度見えてきたときお問い合わせいただくことが多い内容が、

 

 

「ISO9001を取得する際、準備として費用はどの程度かける必要がありますか?」

 

 

微妙に焦点が変わっていますね。

実際に伺ってみると、このような内容にシフトしていくことが多いようです。

では実際に全体ではどのような費用を考えていけばよいでしょうか?

 

 

まずどのような組織でも、どのような規格をとるにしても、どうしても避けられない費用としては以下があります。

 

 

(1)マネジメントシステム構築費用

要するに、ISO9001を取得する準備と実際にISO9001に適合した社内のシステムを作ることです。今ある仕組みを体系化、文書にまとめていくことといってもいいかもしれません。

何の準備もなく審査を受けて受かるものではありません。

品質マネジメントシステムというマネジメントシステムがきちんと構築され、運用ができているかを審査員の方は見に来られますので、少なくともISO9001で求められているルールや文書などは事前に用意をしておかないといけません

当たり前に普段からやっているものを審査中聞かれることも多々あるのですが、どうしても審査員の方の言い回しが難しかったり、専門用語を使われたり、なれない審査への緊張(?)などで、回答が苦しくなってしまう事が多々あります。

審査中は100パーセントの受け答えができなくても、なるべくスムーズに進行したいですよね。

 

 

ISO9001を取得しようかなと考えて、色々情報収集されているタイミングであれば、今まさにかかっている費用も含まれてきます。

例えばISO9001の規格書を買う、ガイドブックや解説書のようなものを買う、セミナーを聞きに行くなどなど、検討段階でも準備段階でも様々な費用がかかってきます。

この部分はなるべく費用をかけたくない部分ですが、準備不足であるほど先が見通せないということになりかねませんので、時間や費用がかかってもここに力を入れる企業様が多いのではないでしょうか。

 

 

ここの項目についてはやり方は色々あります。

自社ですべてをやる、一部をアウトソースする、専門家の方に助言をもらうなどなど。もちろん外部のサービスを利用するのであればその費用もかかってきます。

どのようなやり方がベストなのかは組織やISO9001を取得する目的によっても違ってくると思います。

普段の仕事の延長戦ではない分、特に取得段階であれば手間がかかってきます。

構築することがすぐに組織の利益につながるものでもありませんので、人や費用にどこまでコストをかけていくのか、そのバランスをみて費用を決めていくのが良いと思います。

 

 

(2)審査費用

当たり前ですが、いくらマネジメントシステムを構築しても審査を受けて合格(認証)をしないと、ISO9001認証取得!と掲げることができません。

ここの部分は(1)で取り上げた費用よりも融通がきかないところになります。

日本だけでも約60社ほど審査会社があるといわれますが、それらの会社もISOの審査会社として認定を受けています。ISOの審査をしていいよと、厳しい審査を受けて通っているということです。

審査会社は、その審査に通した審査上のルールや費用の考え方などで審査をします。

無料では審査はしてくださいませんし、不当に安い金額で審査もしてくださらないということです。

とはいえ、審査の費用体系は審査会社で様々あります。

ISO9001の審査会社として資格をはく奪されない範囲で金額は提示してくださいますので、会社の評判や掲げる審査に対する考えなどだけでなく、費用に関しても考慮して選ぶというのも選択肢としてありかと思います。

なるべくコストをかけたくないというのであれば、審査費用が安いところを探してみてください。

どこで取得してもISO9001を取れるのは変わりませんが、そこにかかる費用はある程度選択ができます。

安かろう悪かろうでは逆に手間がかかってしまいますので、情報収集は慎重に。

また、高ければ良いというものでもありませんので、審査会社から提示いただいた費用が妥当なのかはどこかにご相談されるのがいいかもしれません。

 

 

2つ取り上げましたが、これらは必ず費用としてかかってきます。

それ以外として、どのような費用がかかってくるでしょうか?

お問い合わせをいただく項目として一番多いのが、設備投資の費用です。

 

 

設備投資といってもいろいろあります。

会社のインフラまわり、業務システム、機械、建物、人、外部サービス….。

上げていけばきりがありませんよね。いろんなことを考えて考えて、考えた末に結局どうしたらよいかわからなくなってしまう。意外と陥りやすい罠です。

ISO9001を取得するために設備投資するのか、組織の改善のために設備投資するのか、目的が入り乱れてしまって混乱してしまう方が多いみたいです。

この2つは同じようでいてまったく異なりますので注意が必要です。

規格はマネジメントシステムを構築してねとは書いてますが、なにも取得するためにこの部分は設備投資をしてくださいとは全く書いてありません。(当たり前ですが)

目的がISO9001の取得だと限定すれば、設備投資としてどのくらいの費用を見たらいいのか、この質問に端的に答えるとしたら、設備投資の費用はいらないという答えに行き着きます。設備投資に費用かけなくても取得はできるんです。

重複になりますが、何をするのが目的なのかはっきりとさせてみてください。優先順位として、社内の業務改善を推し進めて改善が一段落した段階でISOの審査を受けてみよう、例えばこのような判断がされているのであれば、いかに自分たちの仕事を良くしていくかに集中して考えるべきです。

逆にISO9001を取得するのが目的であれば、必然的にかかってくる費用や手間をいかに効率化するかをよく考えていくべきです。

設備投資が悪いという話ではありませんが、くれぐれも目的を見失わないようにしてください。

 

 

ここまで費用について取り上げてきましたが、ISO9001を取得するということはメリットも当然発生しますが、取るにしても取った後に維持するにしても何かと費用や手間がかかってきます

費用のかけ方や人のかけ方など方法は様々。いくらISO9001を取得するために設備投資する必要はないとはいっても、組織の状況はそれぞれですし、やはり不安になることもあると思います。実際に取得するのが目的の中で、並行して設備に費用をかけていくというケースも少なくはありません。

組織にとってどのようなやり方が最適なのか、もしお悩みでしたらご相談いただけると幸いです。今回は触れませんでしたが、実際の事例などもご紹介できればと思います。

ISO14001取得:環境側面と目的って?


ISO総合研究所コンサルタントの藤川です。
いつもご愛読ありがとうございます。

今回はISO14001の目的・環境側面の簡素化についてお話していきたいと思います。

環境側面は聞き慣れない用語ですよね。

原語はenvironmental aspectですが、英語を母国語とする英米人でもピンとこない、

という人がいます。分かりやすい日本語でいえば「環境に影響しうる要因」だそうです。

環境側面は「環境と相互に影響しうる」とか「著しい環境影響をもつか又はもちうる」とあるように、

可能性を潜在させているものも含めて考える必要がある。たとえば環境保全設備が正常に作動しているために、そこに環境側面がありうることに気付きにくいことがありますが、

その設備の異常(故障)によって環境影響が出てくる場合は、環境側面として捉える必要があります。

上記に記載しているように、ISO14001規格には、難しい言葉が多いが、この「環境側面」ほど、日本語として意味の判りにくいものはないと思います。

ある会社の社長さんなんかは、机の側面をたたいて、「側面って、ココのことかと思ったよ」と言って笑っていました。


しかも、PDCA(計画-実行-チェックー見直し)サイクルの、「4.3計画」の冒頭部分に出てくるので、この言葉の意味を理解しないと、前に進めないし、重要なものです。

「問題解決」の手法として、要因分析というやり方があるが、ISO14001規格でも、この手法を取り入れています。

ISO14001規格の本筋は、いわゆる「目標管理手法」であり、「企業の仕事の環境への影響」を調べて、著しい影響を与えることを、どうするかを、「計画」を立てて「実行」して行くものです。

その、「企業の仕事の環境への影響の要因」のことを「環境側面」と言います。

規格では、環境目的(目標)を決める前提として、「環境への影響の要因」をあげて(特定)、評価して「著しい環境影響をもつものを決定しなさい」ということになっています。

いろんな企業へ行くと、「著しい環境側面」や、あるいは「目的・目標」は、すばらしいものが出ているのに、それを選んだ過程や、元の環境側面(要因)が抜けている場合があります。

たぶん、仕事を熟知した経営者や環境管理責任者が、頭の中で「環境側面」を吟味して、「著しいもの」を選び出しているという、

東洋的な発想であるが、ISO14001規格では、これはダメということです。要因を全部あげて、(紙に書き)それを評価、整理するという規格の手法に即していないからです。

どうでしょう?ここまで書いていくと、環境影響に関することってもしかして

「紙ごみ電気を使わない」→「出さない環境にする」→「会社を辞める」になりませんか?(笑)

ある審査員とお会いした際に、建設会社での環境側面や目標ってどんな事例があるんですか?

と聞きました。

「うーん。最初のうちは紙ごみ電気の削減かな。」

「長くやってくるとそれが辛くなって逆に業務に支障を来たりしてるけどね(笑)」

どうでしょう?身に覚えがありませんか?

私もよく紙ごみ電気を目標にしているお客様先にお伺いした事があります。

そこのお客様は「会社内での電気の削減」を目標として、

「始業時間の5分前までは電気をつけない。お昼休憩前の11:50までに電気を消す。その間13時までは電気をつけない。

18:00からは残業だとしても電気をつけない。」という活動をされてました。

凄い目標ですね。とお伺いした際にこのようなお言葉を頂きました。

「環境側面を洗い出すまではいいんですよ。ただね、そこからが難しい。どうやって具体的な活動にするのかがさっぱりです。

だからずるずる初期の活動を続けに続けてとうとう業務時間内にまで電気の節約が押し寄せてきましたよ。」

その際に、お客様にお伝えしました。

プラス(有益)の環境側面は洗い出していますか?と。

どうしても「環境に影響しうる要因」と聞いてしまうと「環境に対する悪いモノ」と思ってしまいがちです。現に僕も思ってました(笑)

すぐに「環境側面にプラス(有益)」な側面を洗い出しました。

そこで出てきたのが”人”です。

ヒトに良い影響を与えることも、プラスの環境側面なのです。

会社の中で、ヒトに好影響を与えることって、何だろう?と考えてみると…

○オフィスでの嫌煙・禁煙運動キャンペーン

(社員の健康第一、大気も汚れない)

○社内親睦レクリエーション

(若い社員さんにとっては、悪い環境側面かも?(笑))

○BGMにクラシック音楽を流す

(生産性の向上・職場の軋轢軽減?)

とまあ、冗談半分でも、これ位簡単に上がってきます。

是非ともプラスの環境側面の抽出に頭を悩めている会社さんは、”人”に焦点をあててみてください。

さて、ちょっとタイトルと離れすぎた所でまとめに入っていきたいと思います。

環境側面、目的を簡単にできる3つの事例

1.環境側面にはいい影響を洗い出すべし

2.目的から決めるのではなく、環境側面から見つける事。

3.側面で不明な事が出てきたならば”ヒト”の問題を洗い出してみるべし。

以上でございます。

是非参考にしてみてください。