ISO9001 2015年版(QMS)6.1 リスク及び機会への取組み

_shared_img_thumb_CL201_syorui2320140830185655_TP_V

ISO9001 2015年版(QMS)6.1 リスク及び機会への取組み

 

ISO9001が2015年版に改訂されたときに増えたものですね。

皆さんが最も気になっているところではないでしょうか。

 

何を要求されているのか?

まず、要求事項を見てみましょう!

 

6.1 リスク及び機会への取組み

 

6.1.1 品質マネジメントシステムの計画を策定するとき、組織は、4.1に規定する課題及び

4.2に規定する要求事項を考慮し、次の事項のために取り組む必要がある

リスク及び機会を決定しなければならない。

 

  1. a) 品質マネジメントシステムが、その意図した結果を達成できることを保証する。

 

  1. b) 望ましくない影響を防止又は低減する。

 

  1. c) 継続的改善を達成する。

 

6.1.2 組織は、次の事項を計画しなければならない。

 

  1. a) 上記によって決定したリスク及び機会への取組み

 

  1. b) 次の事項を行う方法

1) その取組みの品質マネジメントシステムプロセスへの統合及び実施(4.4参照)

2) その取組みの有効性の評価

 

リスク及び機会への取組みは、製品及びサービスの適合への潜在的影響と

釣り合いのとれたものでなければならない。

 

これはサーっと見ていただいて、次にいきましょう!

 

 

 

・備えあれば憂いなし

 

失敗が予想されるのであれば”備えあれば憂いなし”で

 

前もって手を打っておく必要があります。

 

うまくいくチャンスは逃がしてはいけません!

 

うまくいくチャンスには、顧客のニーズや期待に応えるために提供する

 

製品及びサービスに込められた価値を向上させることで実現できます。

 

例えば、逆さまにすると書けなかったボールペンを

 

逆さまにしてもインクがかすれることなく

 

書けるようにするとか、

 

従来ターゲットにしていなかった高齢者向けのツアー旅行を

 

企画することなどによってさらなるチャンスが生まれます!

 

 

 

・急いでは事をし損じる

 

しかし”急いでは事をし損じる”といわれるように、チャンスを追い求めるあまり、

 

失敗する可能性があるので、その失敗についても気をつける必要があります。

 

例えば、高齢者向けのツアー旅行を企画したものの、実際に出かけてみると旅行先で

 

体調がすぐれない人が続出して旅行が継続できないという失敗が考えられます。

 

ISO9001(QMS)では、この失敗をリスク、チャンスを機会と表現しています。

 

 

 

リスクと機会を決定する目的は、

マネジメントシステムが

 

①狙い通りの結果を達成できるという自信や信頼を得るため

 

②何か失敗したときに悪い影響が出ないようにする

 

③悪い影響が出たとしても影響を少なくする

 

④継続的改善を進めるため

blogcap

具体的にどのようなものがあるか

 

まずは機会!

 

お客さんに提供する製品及びサービスの価値を向上させることで得られます。

 

そうすれば新たな顧客を獲得したり、既存の顧客への売上が増えたりします。

 

売上が増えれば、組織の運営も安定して従業員にとって幸せなことですよね。

 

仕入れ先への発注も増えて仕入れ先にとっても幸せなことですよね。

 

ラーメン屋さんだと

 

・味を向上させるとか

 

・顧客にあった新しい味のラーメンを開発する

 

・提供時間をさらに短くする

 

こんなことが上げられるでしょうかね。

 

ではリスクは!

 

機会をを求めるあまり失敗してしまうことを考えるといいと思います。

 

味を向上させることばかりに集中して手間がかかる。

 

新しいラーメンをたくさん考案したが、多くの材料が余って廃棄せざるえない

 

提供時間を短くするあまり味にばらつきがでる

 

・材料の品質が悪く味に影響する

 

・アルバイトが確保できず力量の店員が足りない

こんなことが想定されますね。

これに対しては、記録の要求はありません。

 

ISOの審査でいうとトップマネジメント層が話せればいいんです。

 

皆さん既にやられてますよね。

 

SWOT分析をやられている会社さんは、活用できますね!

 

SWOT分析例

プラス面 マイナス面
内部環境 ・新製品開発力がある・特許が多く独自性がある・自社ブランドをもっている 

S(強み)

・管理者の育成が遅れている・販売網の整備が遅れている・社内規定の標準化が遅れている 

W(弱み)

外部環境 ・対象顧客層が増加している・顧客が高級品に移りつつある・高級品で競合する会社が少ない 

O(機会)

・異業種からの参入が増加している・輸入品の品質が向上しつつある・原材料が高騰しつつある 

T(脅威)

 

こんな感じになっていると分かりやすいですかね。

 

もう一度、言っておきます!

 

記録要求はありません!必ず作らなくてはならないものではありません!

 

あくまでもツールの一つです。

 

経営層の皆様は、既にやられていることです。

 

いつ、どこで、だれが、どのようにやるのか。

 

出てきた課題の中で優先順位をつけて対策をしてください。

 

重要なので、もう一度!

 

SWOT分析を既にやられている企業さんはぜひ活用してください!

 

やっていない企業さんは、ISOの審査のために作ることは必要ありません。

 

必要でしたら、取り入れるぐらいで考えてください!

 

それでも困ったら、ぜひ一度ISO総合研究所にご相談してください!

 

いや困る前にご相談ください!!!

ISO9001:2015 (QMS) 「8.6 製品及びサービスのリリース」

_shared_img_thumb_max16011630_TP_V

いつもご愛読ありがとうございます、

ISO総研 小嶋です。

 

ISO9001 (QMS)が2015年版に改訂されたときに増えたものですね。

皆さんが最も気になっているところではないでしょうか?

何を要求されているのか?

まず、要求事項を見てみましょう!

――――――――――――――――――――――――――――――――――

組織は、製品及びサービスの要求事項が満たされていることを検証するために、適切な段階において、計画した方法を実施しなければならない。合否判定基準への適合の証拠を保持しなければならない。

適合の検証に関して計画した方法が問題なく完了するまでは、顧客への製品及びサービスのリリースは行ってはならない。ただし、当該の権限をもつ者が承認したとき、及び該当する場合に顧客が承認したときは、この限りではない。文書化した情報は、顧客への引渡しのために製品及びサービスのリリースを正式に許可した人に対するトレーサビリティを提供しなければならない。

――――――――――――――――――――――――――――――――――

【トレーサビリティとは】
ISOでいう「トレーサビリティ」とは「考慮の対象となっているものの履歴、適用又は所在を追跡できること」と説明されています。ISO9001:2000年版では、7.5.3項 識別及びトレーサビリティには、「トレーサビリティが要求事項となっている場合には、組織は、製品について固有の識別を管理し、記録すること。」とあります。

つまり、ある製品がどこで誰によって作られ、工程はどのようにして進み、出荷後の製品はどのようにして配送され、現在どこにあるかというようなことがわかるようにしておきなさいということです。形のある製品には、一般人にはわからないように固有の記号が打ってあり、クレームになった場合に、究明できるようになっている。これがトレーサビリティで、前項で述べた「記録」が非常に重要な役割を担うのです。

記録がなければクレームが起こっても、その原因が把握できず、その後の処置が適切に行えなくなります。また、是正処置もとれなくなり、同じミスが繰り返されるかもしれない。これらの予想される様々な事項を各工程の随所でチェックし、記録として残しておくことで、最終的には製品のレベルアップにもつながるのです。

では、サービス業の場合はどうでしょうか。サービス業では提供したサービス自体に識別番号をつけることは難しい。だから、記録としては、社内で様々なフォーマット等に記録として必要な事項を残しておくことになります。その中にはお客様と直接会話した内容、時間、場所なども記されていることもあります。

 

【8.6 製品及びサービスのリリース】
8.6では、顧客に製品及びサービスを確実に提供する場合、提供までのプロセスの安定化、品質の確認を要求しています。また、「引き渡し」とは「顧客に製品及びサービスを提供する」ことを意味し、「リリース」とは「製品及びサービスを顧客や後工程に引き渡すための活動の完了を確認すること」を意味しています。

 

ISO9001:2008「8.2.4 製品の監視及び測定」「7.4.3 購買製品の検証」がひとかたまりになりました。製品・サービスの検査や出荷許可の手順の確立、記録の保持を求めています。2008年版「~リリースを正式に許可した人を、記録しておかなければならない」から「~許可した人に対するトレーサビリティを提供しなければならない」に変更されました。だれが許可したかわかるようになっていればよいです。

リリース、という言葉がまたもや拒絶反応やクエスチョンマークを呼びそうな規格。ここで言うリリースとは、平たく言うと「次工程への引き渡し」を意味しています。

・  受入検査=合格したから、在庫置き場や作業現場に持って行って良い

・  工程内検査=合格したから、次の工程に持って行って良い

・  最終・出荷検査=合格したから、客先へ出荷して良い

以上のように、検査という仕事を【リリースのための関門】として適切な内容で設計し、実施しなさいという要求事項です。ISO9001に関連してとても多くいただくご質問として、a)  材料・部品の受入検査は、必ず自社で抜き取り検査をしなくてはならないのか?

  1. b)受入検査では、必ず自社で寸法を測って記録しなくてはならないのか?

以上のようなものがあります。答えはいずれもNOです。a)については、材料・部品メーカーが行った検査の記録を受け取り、それを信頼しても良いですし、b)にも関連して言えばカタログ品でまず品質にバラツキが無いような製品であれば、納品書に書かれた品番・個数に誤りが無いことを確認するだけでも良いです。

いずれの場合も受け取った記録に、確認した者が捺印・サインする等して記録を残す必要はありますが、抜き取り検査や寸法検査が必ず必要だというわけではありませんので、注意が必要です。

もちろん逆に言えば、品質のバラツキが大きい製品である場合や、厳しい基準への適合が求められる場合、または特殊な計測を行わないと品質が保証できないような製品については、より厳しい検査を自社で行う必要がある場合もあります。

その製品に求められる品質などによって、その必要性は異なります。そこを客観的に見極めてルール作りを行うことが、身の丈にあったシステム作りとしては大切なところです。

厳しい管理基準を設けた一部の製品の管理方法を、管理基準のゆるい製品にまで適用して、現場が立ち行かなくなったケース等もありますので、十分注意が必要です。

ぜひ一度ISO総合研究所にご相談してください!

いや困る前にご相談ください!!!

 

ISO9001:2015 (QMS) 2015年版 9.2 内部監査規格解釈

_shared_img_thumb_0I9A853115070150spk_TP_V

 

ISO総合研究所の栗林です。

早速ですがISO9001:2015 (QMS) 2015年度版では何を要求されているのか?

まず、新しい要求事項を見てみましょう!

 

■2015年度版

9.2 内部監査

9.2.1  組織は、品質マネジメントシステムが次の状況にあるか否かに関する情報を提供するために、あらかじめ定めた間隔で内部監査を実施しなければならない。

 

  1. a) 次の事項に適合している。

1) 品質マネジメントシステムに関して,組織自体が規定した要求事項

2) この国際規格の要求事項

  1. b) 有効に実施され,維持されている。

 

9.2.2 組織は,次に示す事項を行わなければならない。

  1. a) 頻度,方法,責任、計画要求事項及び報告を含む,監査プログラムの計画,確立,実施及び維持。監査プログラムは,関連するプロセスの重要性、組織に影響を及ぼす変更、及び、前回までの監査の結果を考慮に入れなければならない。
  2. b) 各監査について,監査基準及び監査範囲を定める。
  3. c) 監査プロセスの客観性及び公平性を確保するために,監査員を選定し,監査を実施する。

d)監査の結果を関連する管理層に報告することを確実にする。

  1. e) 遅滞無く、適切な修正を行い、是正処置をとる。
  2. f) 監査プログラムの実施及び監査結果の証拠として,文書化された情報を保持する。

 

あんまり変わっていない気がします。

 

次に2008年度版を見ていきましょう

 

■2008年度版

組織は,品質マネジメントシステムの次の事項が満たされているか否かを明確にするために,あらかじめ定められた間隔 で内部監査を実施しなければならない。

 

a)品質マネジメントシステムが,個別製品の実現の計画(7.1 参照)に適合しているか,この規格の要求事項に適合しているか,及び組織が決めた品質マネジメントシステム要求事項に適合しているか。

b)品質マネジメントシステムが効果的に実施され,維持されているか。

 

組織は,監査の対象となるプロセス及び領域の状態及び重要性,並びにこれまでの監査結果を考慮して,監査プログラムを策定しなければならない。監査の基準,範囲,頻度及び方法 を規定しなければならない。

監査員の選定及び監査の実施においては,監査プロセスの客観性及び公平性を確保しなければならない。監査員は,自らの仕事を監査してはならない。

 

監査の計画及び実施,記録の作成及び結果の報告に関する責任,並びに要求事項を規定するために,“文書化された手順”を確立 しなければならない。監査及びその結果の記録 は,維持しなければならない(4.2.4 参照)。

監査された領域に責任をもつ管理者は,検出された不適合及びその原因を除去するために遅滞なく,必要な修正及び是正処置すべてがとられることを確実にしなければならない。フォローアップには,とられた処置の検証及び検証結果の報告を含めなければならない。

 

規格の趣旨は変わりません。

条項の趣意

顧客満足を確実に実現させる効果的な品質経営であるために、 トップマネジメントによる統制活動としての内部監査活動の適用の必要を規定し、内部監査がその目的に沿って効果的なものであるための計画、実行とその管理に関する要件を規定しているようです。

 

規定趣旨

9.1.1項

組織は、顧客満足の状態の実現の可能性を評価判定し、そのための問題を抽出しなければならない。 ここに、a)は、整えられた品質経営の一連の業務の実行の手はずが組織の存続発展に必要な顧客満足の追求という観点で効果的であるかどうか、また、ISO9001認証取得組織なら品質経営の手はずが規格の要件を満たしているかどうかである。b)は、業務が実際にそれぞれ整えられた手はずの通りに行われているかどうかである。

 

9.1.2項

その目的に沿った効果的な内部監査であるためには、内部監査の手はずは a)~f)の規定を満たして整えなければならず、その手はずに則って内部監査を行わなければならない。

 

a)は、内部監査の活動を監査プログラムに基づいて行う必要の規定であり、内部監査の目的の観点で効果的であるための監査プログラムの作成の要件を規定している。また、b)、c)は、効果的な監査活動であるための要件の規定である。 d)、e)は、内部監査の目的を達成するための内部監査後に必要な活動に関する規定である。

 

改定版への移行対応

➀ 品質経営体制の指針として規格を実践する組織

6.2.2項品質マニュアル記述を含み何も変える必要ない。

 

結論

9.2.2 a)項で、監査プログラムは、「関連するプロセスの重要性」「前回までの監査結果」だけでなく「組織に影響を及ぼす変更」も考慮に入れて監査の頻度、方法等を計画しなければならないことが追加になっています。

9.2.2 d)項で、内部監査の結果は監査され他領域の管理者だけでなく「関連する管理層に報告すること」に変更になりました。「9.2 内部監査」の条項の中に記載がありませんが、「5 リーダーシップ」で管理責任者という役割に関する言及が削除されています。

 

ISO14001:2015年度規格改訂8.2項「緊急事態への準備及び対応」規格解釈

 

_shared_img_thumb_max16011518_TP_V

日頃よりご愛読いただきありがとうございます。

ISO総合研究所コンサルタントの田牧です。

先日、我が家の長男が3年間通園した幼稚園を卒園しました。多くの友だち、先生方に支えられて卒園を迎えることができました。ありがとうございました。・・・なんて思っているのは親の私たちだけで、本人はすでに小学校入学に気持ちが向いているようで、「新生活を迎えられることが楽しみで仕方がない!!」そんな風に見えています。

子どもの成長と新しいものへの興味の高さには驚かされます。

ということで、私も子どもを見習い、ISO14001の規格改訂について、楽しみながら学び、皆様と一緒に成長していきます!!!お付き合いの程よろしくお願いいたします。

 

それでは今回のテーマ:ISO14001:2015年度規格改訂8.2「緊急事態への準備及び対応」規格解釈についてはじめさせて頂きます。

 

まず最初にJISQ14001:2015(ジスキュー140011:2015)に記載されている要求事項を確認してみましょう。

規格要求では8.2「緊急事態への準備及び対応」に

 

 

組織は、6.1.1で特定した潜在的な緊急事態への準備及び対応のために必要なプロセスを確立し、実施し、維持しなければならない。

組織は次の事項を行わなければならない。

a) 緊急事態からの有害な環境影響を防止又は緩和するための処置を計画することによって、対応を準備する。

b) 顕在した緊急事態に対応する。

c) 緊急事態及びその潜在的な環境影響の大きさに応じて、緊急事態による結果を防止するための処置をとる。

d) 実行可能な場合には、計画した対応処置を定期的にテストする。

e) 定期的に、また特に緊急事態の発生又はテストの後には、プロセス及び計画した対応処置をレビューし、改訂する。

f) 必要に応じて、緊急事態への準備及び対応についての関連する情報及び教育訓練を、組織の管理下で働く人々を含む関連する利害関係者に提供する。

組織は、プロセスが計画通りに実施されるという確信をもつために必要な程度の、文書化した情報を維持しなければならない。

 

これに対し、2004年版ではいかがでしょうか。

 

4.4.7 緊急事態への準備及び対応

組織は,環境に影響を与える可能性のある潜在的な緊急事態及び事故を特定するための,またそれらにどのようにして対応するかの手順を確立し,実施し,維持すること。

組織は,顕在した緊急事態や事故に対応し,それらに伴う有害な環境影響を予防又は緩和すること。

組織は,緊急事態への準備及び対応手順を,定期的に,また特に事故又は緊急事態の発生の後には,レビューし,必要に応じて改訂すること。

組織は,また,実施可能な場合には,そのような手順を定期的にテストすること。

 

今回の改訂に伴い、文章の構成は、箇条書きとなりました。このことにより規格上求められていることが明確となり、私個人的にはやるべきことがわかりやすくなったと感じています。いかがでしょうか。

どうしてもISOの規格要求文書は英文等を日本語に言ってしまえば、無理やり翻訳している部分もあり、非常にわかりにくい内容も多くありました。また、今回の規格改訂でも同じような個所は見られるものの、これから新規で構築・運用される企業団体におかれましても、ある程度分かりやすい表現となってきているように感じられています。

 

話がかなりずれてしまいましたが、今回の規格改訂での変更点について、下記に纏めてみました。

1.「6.1.1で特定した潜在的な緊急事態への準備及び対応のために必要なプロセスを確立し、実施し、維持しなければならない。」

⇒これまで、同項番内で記載のあった内容が別建てとなっています。

  1. f)必要に応じて、緊急事態への準備及び対応についての関連する情報及び教育訓練を、組織の管理下で働く人々を含む関連する利害関係者に提供する。

⇒「組織の管理下で働く人々を含む関連する利害関係者に提供する。」より、対象が広くなっています。

3.「プロセスが計画通りに実施されるという確信をもつために必要な程度の、文書化した情報を維持しなければならない。」

⇒訓練結果の記録を残すことになりました。

以上のような3項目が変更点として上げられました。

つまり、大きな変更はありませんね!!ご安心ください。これまでISO14001を取得・認証されていた企業・団体様においては、基本的にはこれまで通りの運用を実施し、唯一、その活動記録を残すことが求められるようになったことだけご注意いただければと思います。

 

いかがでしたでしょうか。

ISO14001:2015年度規格改訂8.2項「緊急事態への準備及び対応」については、ご安心頂けましたでしょうか。私自身は非常に安心しました。これまでの活動をつつけていればいいのだということが再確認出来て!!

 

今後も、新規格に関すること、また、その他、ISO・Pマーク(プライバシーマーク)の取得・認証、運用を行う上で、有効な情報提供を心がけてブログ更新して参りますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

ISO9001(QMS):2015(QMS)規格改訂(改正)をする時に考慮してほしいこと

blog1

こんにちは。

ISO総合研究所コンサルタントの野瀬です。

早いもので今年も四半期が終わりますね。

春は儚い感じが好きです。

 

 

花粉症でそれどころじゃないよという皆様はどうぞ耐えてください。

そういえば、最近久しぶりに自炊をしてみました。野菜炒めただけですが、

 

 

2年位自炊していなかったことも原因かもしれませんが、調味料が大半使えなくなっておりました。

何でもオーバーホールは必要ですね。

 

 

昔は鶏ガラを買ってきてムダに鶏がらスープを作り、そのスープをカレーにしてみたり、うどんを麺から作ってみたりといろんなものを作っていたなぁと思い出しました。

 

 

 

さて、そんなこんなで今回はISO9001(QMS)が規格改訂されて早くも半年が経過しようとしておりますが、

マニュアル変えなきゃなーとかお考えの皆様に、一つ、いや三つほどお伝えしたいことがございます。

お暇な時間にスマホの画面やPCの画面をスクロールして見てみてください。多分3分くらいで読めると思います。

 

 

其の一、審査機関の選び方

 

 

①どんな審査機関がある?

 

大きく分けて審査機関には2種類あると考えておきましょう。

1つは、検査機関として発足したタイプの審査機関。このタイプは、いわゆるルール(文書)が実務と整合しているかどうかを鍵として審査をします。重箱の隅をつつくというわけではないですが、このタイプには、企業に対して、不必要に文書や書類を要求するケースがあります。

 

2つ目は、審査をサービスとして捉えているタイプの審査機関。このタイプの場合、書類やルールをうまく使って、実務ができているかどうかを主として審査をしてきます。ISOのための書類でなくとも、普段本業で使用している書類やデータがISO9001(QMS)に適しているかどうかを見るわけです。

 

 

②どこを選べばいい?

基本となる、ISO9001(QMS)の考え方に沿って考えてみましょう。

前述した2種類の審査機関が行う審査が、読者である皆様の要求に適しているかどうかを軸に見ると良いかもしれません。

 

その場合の要求は、Q(審査のうけやすさや認証のもらいやすさ)C(審査費用)D(審査日の融通の効きやすさ)によって判断するとよいでしょう。

それは何となくわかるけど、結局どこのQCDが優れているか分からないという企業が多いと思います。

その答については、後述させていただくこととします。

 

 

 

其の二、コンサルタントの要否と選び方

 

 

②コンサルタントは何をしてくれる?

 

大別すると3つの種類にできます。

1)規格の知識を伝える、いわゆる講師タイプのコンサルタント

これは、企業で規格改訂の知識も、また、改訂するための作業も全て可能という場合に知識を得る為に選ばれるタイプです。作業量は増えますが、自社でもISOの知識を蓄えることができます。

 

2)規格の知識だけでなく、フォーマットなども提供するタイプ

前述した講師タイプに加え、フォーマットや、マニュアルの雛形となるものも提供してくれます。このタイプだと、多少負担は減るので、自社でやるけど、そこまで余裕はない。という企業が選んでいます。

 

3)口だけでなく、作業もやるタイプ

フォーマットの提供だけでなく、マニュアルや、運用も事務局としてやってくれるタイプのコンサル。中小企業で規格改訂するための余力が無いという場合や、世代交代してそんな知識もない。暇もない。というケースであればこのタイプを選びましょう。

 

③コンサルタントを使う場合、どれを選べばいい?

 

自社の状況を鑑みて選ぶと良いでしょう。前述の通り、余裕があり、自社で完全に回していきたいという場合は、1)のタイプや2)のタイプを選ばれるとよいです。

そんなに余裕も無いし、従業員にはお客様のための業務をやってほしいなという企業は3)のタイプを選ぶとよいでしょう。

 

 

其の三、今あるものを活用する

 

 

①今あるものでISO9001(QMS)は認証できる?

 

ISO9001(QMS)の2015年版は、今までのISO9001(QMS)の中で、最も実務に寄り添ったものです。

そのため、普段の仕事をしているだけで、ISO9001(QMS)を認証することが出来ます。

 

②どんな書類があれば認証できる?

 

普段使っている書類を活用するようにしましょう。

例えば、公共事業が主な建設業の場合、施工計画書があればISO9001(QMS)は認証できます。他に書類は殆ど不要なほどです。

 

それ以外に、ある製造会社では経営計画書という手帳サイズのツールに会社のルール(お客様への方針や、製造に関するルール)などを記載しており、この手帳のみでISO9001(QMS)を認証することができています。それほどに、今のISO9001(QMS)は実務とリンクしている点が多いのです。

 

 

③今あるものを活用するためのマジックワード

結局今あるものを活用しよう。といっても、実務で使っているものの中で、どれが余計か分からない。現場の人間も管理サイドも把握出来ていない。なんて状況に陥っていて、書類がなんだかんだ言って残ってしまう。ということになりがちですよね。

 

そんな場合に、今あるものだけを活用するための魔法の言葉があります。

それは、「今からISO9001(QMS)を辞めたらどの書類を捨てる?」です。

この言葉でいらない書類やルールを全て無くしてしまいましょう。

そこで残ったシンプルな書類やルールが、今のISO9001(QMS)を認証することが出来る文書です。

 

 

 

ということで、だいたい3分くらいで読めましたでしょうか。無理だったというそこの皆様も、

応援のメッセージでもなんでも結構です。ドシドシお問い合わせくださいませ。

 

ISO14001:2015の順守義務とは?

_shared_img_thumb_Green22_bag20141123111535_TP_V

ISO総合研究所の千葉です。

花粉が暴力的に鼻孔を刺激する今日この頃、いかがお過ごしでしょうか?

インフルエンザの大流行がありました。

なんとか猛威をふるう時期を過ぎたと思えば花粉の時期にクランクインです。

花粉症の人からすれば気分の上がらない日が続きます。

とはいえ、もう少しすれば花粉も収まります。

花粉が少しずつ収まるころ、梅雨の時期に入ります。

じめじめとした気候が気分を憂鬱にさせます。

 

みなさん、お元気でしょうか?

 

ISO14001の2015年版が発行され、規格の構成も内容も大なり小なり変更が加えられています。

見る人によって、大きく変更が入っている様に見える人も、あまり変わらないかなと見える人もいるのではないでしょうか。

実際、どちらが正しくどちらが間違っているというわけでもなく、規格で使われる言葉が変わっているだけで内容が変わっていないものや、従来のものから考え方ややり方が多少なり変更されている部分もあると思います。

同じタイミングでISO9001:2015も発行されました。

そちらと比較してもあまり意味ありませんが、ISO14001:2015については、どちらかというとそんなに考え方自体は変わっていない部分が多いともいえると思います。

その中で今回取り上げるのは、2015年版の要求事項6.1.3、「順守義務」です。

 

順守義務と聞くと、旧来のISO14001ではあまり聞かない言葉ということもあり、少し抵抗を感じてしまうかもしれません。

ですが、旧規格と比べ、実際はそんなに変わっている部分ではないんです。

ここで何もありません!として締めてしまってもいいんですが、せっかくなので少し2004年版と2015年版の該当要求事項を比較してみたいと思います。

2004年版と2015年版では、規格の本文はこのようになっています。

 

【ISO14001:2015】

 

・6.1.3 順守義務

 

組織は、次の事項を行わなければならない。

 

a)組織の環境側面に関する順守義務を決定し、参照する。

b)これらの順守義務を組織にどのように適用するかを決定する。

c)環境マネジメントシステムを確立し、実施し、維持し、継続的に改善するときに、これらの順守義務を考慮に入れる。

 

組織は、順守義務に関する文書化した情報を維持しなければならない。

 

次に、2004年版です。

2004年版では以下となっていました。

 

【ISO14001:2004】

 

・4.3.2 法的及びその他の要求事項

 

組織は、次の事項にかかわる手順を確立し、実施し、維持すること。

 

a)組織の環境側面に関係して適用可能な法的要求事項及び組織が同意するその他の要求事項を特定し、参照する。

b)これらの要求事項を組織の環境側面にどのように適用するかを決定する。

 

組織は、その環境マネジメントシステムを確立し、実施し、維持するうえで、これらの適用可能な法的要求事項及び組織が同意するその他の要求事項を確実に考慮に入れること。

 

比較してみていかがでしょう。

見え方は人によってやはり変わると思いますが、そんなに変わっていないと思いませんか?

比較用に並べたので、違っている部分を確認してみます。

 

まず書かれている場所が4.3.2から6.1.3にかわっています。

これは特にこの要求事項の意味や内容がかわったからということではなく、ただ規格の構成がかわった、統一されたからです。

複数のマネジメントシステムをもつ組織が取り組みやすいような配慮が今回の改正からなされていますが(HLS:ハイレベルストラクチャー)、その流れにのっているというだけです。

次に、a)~b)まであった項目が、a)~c)になっています。

この部分だけ取り上げると、増えている様に聞こえますが、その前後の文脈を見ると、全体からすると内容的には変わりません。

 

その他、細かな言葉の違いがあるにしても、規格が求めている要素は変わっていないといっても言い過ぎではありません。

他の規格条文の中にもありますが、順守事項という言葉を使わないといけないということでもなく、規格にも許容用語という位置づけで、「法的要求事項及びその他の要求事項」と記載されています。

言葉の細かい部分の違いはあっても、基本的には旧規格と同じように考えてもよさそうです。

 

最後になりますが、この要求事項でいっていることを簡単にまとめておきます。

 

簡潔に言うと、

 

・環境側面に関連する守らなくてはいけない法律、慣例、契約内容などがどのようなものがあるかを確認し、いつでもそれらを見れるようにしておく。

・その内容について組織としてどのように取り組むのか決める。

・環境マネジメントシステム(この規格を用いた取り組み全体)を運用する際に無視せずに取り入れる

 

マネジメントシステムの適用範囲に関係する要求事項をピックアップしたところで、具体的に自分たちの組織には関係のないものや、現実的に対応できないものもあると思います。そのような部分について、組織としてどのように取り組むのかという判断も含みます。

将来的には関連するもの、業界的に関連するもの、組織規模として、立地場所として関連するもの。様々な要素がありますが、現時点として順守する義務が発生しない(規制要件にはいっていないなど)ということもあると思います。

 

注意点として、文書化した情報として維持しなくてはいけませんので、いくら口頭で言えても、何かしら見えるように残しておかないといけないという点です。

とはいえ、いつでも見れるように(参照できるように)しておく必要がありますので、そのあたりは運用上で自然にクリアできる部分かもしれません。

 

今回の規格改定に伴い、組織として新たな対応を必要とする部分、従来の方法で対応できる部分、少し複雑に絡んできます。

必要な部分の対応に力を入れ、不必要なところで頭を悩ませないように、時間を取られないように取り組んでいきましょう。

ISO9001規格改訂!7つの重要ポイント!

_shared_img_thumb_ELLY853_tosyo15191241_TP_V

いつもご愛読ありがとうございます。

ISO総合研究所コンサルタントの栗林です。

 

早速ですが、2015年9月15日にISO9001規格改定が

行われました。

皆さんも気になるところなのではないでしょうか?

 

規格改訂の背景と、ポイントを見ていきましょう。

 

1.改定の背景

(1)ISO規格は、規格自体の適切性や妥当性を維持するため、定期的な見直しと改定が行われる

(2)改定にあたっては、より実態に沿ったマネジメントを運用するため、ISOによるアンケート調査なども行われている。

 

2.移行期間

(1)移行期間はIS(国際規格)発行後、3年間の猶予があります。

すなわち、3年間の間に移行審査を受ける必要があります。

(2)移行審査は定期・更新審査との同時実施でも可能です。

 

3.2015年度番の規格項番

1.適用範囲

2.引用規格

3.用語及び定義

4 組織の状況

4.1 組織及びその状況の理解

4.2 利害関係者のニーズと

期待の理解

4.3 QMSの適用範囲の決定

4.4 QMS及びそのプロセス

5 リーダーシップ

5.1 リーダーシップ及びコミットメント

5.2 品質方針

5.3 組織の役割、責任及び権限

6 QMSに関する計画

6.1 リスク及び機会への取組み

6.2 品質目標及びそれらを達成するための計画策定

6.3変更の計画

7 支援

7.1 資源

7.2 力量

7.3 認識

7.4 コミュニケーション

7.5 文書化した情報

8 運用

8.1 運用の計画及び管理

8.2製品及びサービスに関する要求事項の決定

8.3製品及びサービスの設計・開発

8.4外部から提供される製品及びサービスの管理

8.5製造及びサービス提供

8.6製品及びサービスのリリース

8.7不適合なプロセスアウトプット、製品及びサービスの管理

パフォーマンス評価

9.1 監視、測定、分析及び評価

9.2 内部監査

9.3 マネジメントレビュー

10 改善

10.1一般

10.2 不適合及び是正処置

10.3 継続的改善

 

4.規格改定のポイント

(1)4章

適用範囲を定める際に考慮すべき事項が明確になりました。

まず4.1項で組織の内部外部の課題を決定し、4.2項で利害関係者とその要求事項を決定します。

それらの課題や要求事項を考慮した上で、4.3項で適用範囲を定めるのです。

(2)5章

トップマネジメントの役割として「組織の事業プロセスに規格要求事項を統合すること」が求められています。

これは、組織の日常業務にマネジメントシステム要求事項を組み込むことにより、通常の業務を行うことと

マネジメントシステムの運用を一体化することを意味しています。

(3)6章

2008年版の「計画」にあたります。

4.1項、4.2項で課題や利害関係者の要求事項を決定しましたが、それらから引き起こされる可能性のある課題に優先順位をつけて、組織として取り組む必要のあるリスクを決定し、計画を立てて実行します。

2008年版/2004年版で「予防処置」としてあった概念をより広く捉え直し、マネジメントシステムの計画段階からリスクを織り込んで運用していくことが求められます。

(4)7章

資源や力量・認識、コミュニケーションといった2008年版にもあった要求事項がここに含まれます。

ポイントは7.5項の「文書化した情報」です。

2008年版/2004年版まで使われていた文書、記録という用語は全て「文書化した情報」に統一されています。

これは電子媒体等の新しい文書形態に対応することを意図しています。

(5)8章

9001では、2008年版の7章(製品実現)の要求事項の大部分がこの章に含まれます。

要求事項そのものはそれほど大きくは変わりません。

(6)9章

ここではパフォーマンス(測定可能な結果)とマネジメントシステムの有効性を評価することが

求められています。

(7)10章

9001では、QMSの適切性、妥当性、有効性の継続的改善が要求されています。

 

2015年版 10. 改善 規格解釈

-shared-img-thumb-YUKA150922400I9A6845_TP_V
面白いブログを期待して見に来た皆さん、はずれです。真面目なお話の時間です。
ISO総合研究所の藤川です。いつもご愛読ありがとうございます。

さて、今回は2015年版の10項規格解釈についてご説明できればと思います。
まず、規格要求の確認をしてみましょう。

10. 改善
10.1 一般
組織は,顧客要求事項を満たし、顧客満足を向上させるために、改善の機会を明確にし、選択しなければならず、また、必要な取組みを実施しなければならない。
これには、次の事項を含めなければならない。
a )要求事項を満たすために、並びに、将来のニーズ及び期待に取り組むための製品及びサービスの改善
b) 望ましくない影響の修正、防止又は低減
c) 品質マネジメントシステムのパフォーマンス及び有効性の改善

注記 改善には、例えば、修正、是正処置、継続的改善、現状を打破する変更、革新及び組織再編が含まれ得る。

(1)意図
規格は、製品サービスの顧客満足を追求により組織の発展を計画して品質経営に役立てようと規定しています。その基本要件は、顧客満足を高くしてその状態に関する経営戦略をその時代の方向性に整合させ、それを確実に実現させるための活動として品質経営活動を行うことであり、規格の規定はこれを、品質経営と製品サービス実現との関係性は2種類のプロセスアプローチ/PDCAサイクル形で示していますよ。

規格では、狙いの顧客満足の理想の状態を確実に実現させるための品質経営のプロセスアプローチ/PDCAサイクルにおいて、業務が品質経営体制の計画(6.1項)又は製品サービス実現の計画(8.1項)で決められた通りに行われ、決められた通りの結果を確実に出すように業務実行管理の活動に含まれています。その中で実績評価(9章)で、決められた通りではないと判断及び製品サービスに関して必要な処理をすることを「改善」の活動としています。10章は効果的な品質経営活動に必要な改善の活動を取り上げ、狙いの顧客満足の状態を確実に実現させるという目的で動いています。

(2) 規定の狙い
JIS和訳「改善の機会」の英文は“opportunity for improvement”と記載があり、どこをどのように改善できるかという意味での「改善の可能性」「改善の余地」のことであり、「改善の機会を明確にし、選択しなければならない」は、不適合と関連付けた、問題が起きた事に対しての対策の時間をちゃんと作りましょうとの意味です。

組織が活動によって、顧客満足の状態を増長させるためには、決められた通りに業務を行い決められた結果を確実に出すための業務実行管理の活動をしっかり絞り、業務を実行する中で、実績評価の活動において狙いの通りでないと判定された業務結果及び製品サービス、すなわち、規格では「不適合」、実務では「不良や異常」が原因となって狙いの最高の顧客満足の状態が不可能にならないように、それら不適合ないし不良や異常に対して適切な改善の処置をとるようにしていきましょう。という事です。

これら改善の処置が効果的であるためには、処置を決める場合にa)~c)の観点を考慮しなければならず、処置は10.2項又は10.3項に則って行わなければならない。 a)は、狙いの仕様と品質の製品サービスを確実に実現させて顧客に引き渡すこと、b)は、当該の不良や異常に起因する新たな問題発生を防止すること、c)は、不良や異常の再発を防止することです。 JIS和訳「改善の機会」の英文は“opportunity of improvement”であり、どこをどのように改善できるかという意味での「改善の可能性」「改善の余地」のことであり、「改善の機会を明確にし、選択しなければならない」は、不適合とそれに関係する悪影響を無くすための改善の処置を検討し、適切な処置を決めましょうという事です。

(3) 08年版からの変更点
規格の「改善」が狙いの通りでないとして見出された問題ある活動業務に対する処置であることには08年版も15年版も変わりはありません。15年版では共通テキスト化によりプロセスアプローチ/PDCAサイクルの管理/Cと継続的改善/Aに相当する業務を9章と10章に分けて記述したため、08年版の8.1項の記述を9.1.1項と本項に分割したものだけの認識で大丈夫です。08年版8.1項の業務実行管理に関する規定の「…のために必要となる…のプロセスを計画し、実施しなければならない」の「改善」に関する部分を本項として一つにして、「改善」の必要性の規定の表現を変えて、改善の観点を明示的に規定したものであり、規定の趣旨はなんにも変っていません。

(4) 改定版への移行対応
➀ 品質経営体制の指針として規格を実践する組織
08年版の8章の中の記述又はその背景の業務実行管理における「改善」の活動の実態を抜き出し、整理すれば大丈夫です。
② 認証取得の条件として規格を認識し、負荷と効用に不満を持つ組織
トップマネジメントが経営目標の狙いの顧客満足の状態の実現のために重要と考える業務が期待した出来ばえでないことが判明した時に、どのような場合にどのような処置をとることを考えているのか、或いは、どのような処置をとってきたのか、考えて記載すれば問題ございません。

以上です。
もしご不明な点あれば是非一度弊社までご連絡くださいませ。

ISO9001:2015年度規格改訂6.2項「品質目標およびそれを達成するための計画策定」規格解釈

-shared-img-thumb-YUKA151206135840_TP_V
 今回のブログでは、
ISO9001:2015年度規格改訂6.2項「品質目標およびそれを達成するための計画策定」の規格解釈について
書かせていただきます。 内容としては、
大きく下記の3つの項目をご説明させていただきます。

 1.ISO9001:2008年版と、ISO9001:2015年版の対比
 2.ISO9001:2015年版で明確にされたこと
 3.ISO9001:2008年版から、ISO9001:2015年版に移行するにあたって確認すべきこと

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 1.ISO9001:2008年版と、ISO9001:2015年版の対比

まずは、ISO9001:2008年版と、ISO9001:2015年版の対比からみていきましょう。

ISO9001:2008年版における構成は下記の通りです。
5.4 計画
5.4.1 品質目標
5.4.2 品質マネジメントシステムの計画

ISO9001:2015年版における構成は下記の通りです。
6.2 品質目標およびそれを達成するための計画策定
6.2.1 (無題)
6.2.2 (無題)
6.3 変更の計画

上記のように、
章の構成は変わっていますが、
大きな要素としては変わっていないことが分かります。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 2.ISO9001:2015年版で明確にされたこと

次に、ISO9001:2015年版で明確にされたことをみていきましょう。

ISO9001:2008年版における5.4.1項「品質目標」の記述は下記の通りです。
「トップマネジメントは、組織内のしかるべき部門及び階層で、
製品要求事項を満たすために必要なものを含む品質目標[7.1 a)参照]が設定されていることを
確実にしなければならない。品質目標は、その達成度が判定可能で、
品質方針との整合がとれていなければならない。」

ISO9001:2015年版における6.2項「品質目標およびそれを達成するための計画策定」の記述は下記の通りです。
「6.2.1 組織は、品質マネジメントシステムに必要な、関連する機能、階層およびプロセスにおいて、
品質目標を確立しなければならない。
品質目標は、次の事項を満たさなければならない。
a) 品質方針と整合している。
b) 測定可能である。
c) 適用される要求事項を考慮に入れる。
d) 製品およびサービスの適合、並びに顧客満足の向上に関連している。
e) 監視する。
f) 伝達する。
g) 必要に応じて、更新する。
組織は、品質目標に関する文書化した情報を維持しなければならない。

6.2.2 組織は、品質目標をどのように達成するかについて計画するとき、
次の事項を決定しなければならない。
a) 実施事項
b) 必要な資源
c) 責任者
d) 実施事項の完了時期
e) 結果の評価方法」

一見して分かることは、2015年版では6.2.2項に、決定すべき事項が明確化された点です。
2015年版に6.2.2項が含まれることとなった要因は、また別の機会に述べるとして、
これらが明確になったことで、2008年版に比べて具体的な実行計画が必要となってきます。

また、監視すること、伝達すること、必要に応じて、更新することも、
2008年版では暗に述べていた部分が、明らかに記述されたことも特徴です。

続いて、ISO9001:2008年版における5.4.2項「品質マネジメントシステムの計画」の記述は下記の通りです。
「トップマネジメントは、次の事項を確実にしなければならない。
a) 品質目標に加えて4.1 に規定する要求事項を満たすために、
品質マネジメントシステムの計画を策定する。
b) 品質マネジメントシステムの変更を計画し、実施する場合には、
品質マネジメントシステムを“完全に整っている状態”(integrity)に維持する。」

ISO9001:2015年版における6.3項「変更の計画」の記述は下記の通りです。
「組織が品質マネジメントシステムの変更の必要性を決定したとき、
その変更は、計画的な方法で行われなければならない(4.4参照)
組織は、次の事項を考慮しなければならない。
a) 変更の目的、及びそれによって起こり得る結果
b) 品質マネジメントシステムの“完全に整っている状態”(integrity)
c) 資源の利用可能性
d) 責任及び権限の割当てまたは再割当て」

このように、考慮すべき事項が増えたように感じられます。
これも、2008年版では暗に述べていた部分が、2015年版では明らかにされました。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 3.ISO9001:2008年版から、ISO9001:2015年版に移行するにあたって確認すべきこと

最後に、ISO9001:2008年版から、ISO9001:2015年版に移行するにあたって確認すべきことを考えていきます。

私たちコンサルタントは、
様々な業種・業態の組織様のお手伝いをさせていただく中で、
役得と言いますか、様々な形・内容の「品質目標」を拝見させていただいております。
その中で感じることは、
新規構築時にとても皆さんがよく勉強されて、現在の「品質目標」の書式を作り上げられたということです。
多くの組織様においては、2015年版の6.2.2項に定められている事項を既に網羅しておられました。
しかし、ごく一部の組織様においては、
2015年版の6.2.2項に定められている事項が網羅されていないことがございました。
特に、b) 必要な資源 と、e) 結果の評価方法 が漏れていることが多いですね。
よって、まずは貴社の「品質目標」において、
2015年版の6.2.2項に定められている事項が明確になっているかどうか、確認してください。

それから、変更の計画においては、その段取りや手順が定められているかをいま一度確認してください。
例えばですが、ご自宅をお引越しされることを検討される際には、
おそらく現状に不便を感じるからお引越しを検討されるのでしょう。
駅や学校から遠いから?家族構成が変わるから?家賃や間取りの問題?
どこが満足できないからお引越しするのか、それぞれのご家族ごとに指標があると思います。
お引越しすると決まったら、指標を満たす物件の選定に移りますね。
その際には、必要な引越し資金が準備されているか、近隣環境の変化によって自分たちの生活がどう変わるか、
それで満足ができるかどうか検討されますね。
新居が決まれば、退去日が決定され、それに向けたお引越しの段取りが組まれることでしょう。
品質マネジメントシステムの変更の計画においても、
そのような計画の段取りが求められます。

忘れてはいけないのは、管理責任者や推進委員会独自で進められるのではなく、
きちんと組織内に伝達されていること、
品質目標の監視がなされていることです。

上記のような点にフォーカスをあてて、
貴社の「品質目標」が整っているか、見てみてはいかがでしょうか。

ISO9001改訂:7つの項目

-shared-img-thumb-max16011542_TP_V
ご愛読者の皆様、いつもありがとうございます。
ISO総合研究所コンサルタントの田中です。
ISO9001が改訂されましたね。新項目は大きく分けて7つ。その中の「内部及び外部の課題」と「パフォーマンス評価」について、
今日はラグビーの五郎丸選手から学んでいこうと思います。

ラグビーでいう「パフォーマンス評価」とは・・・・・?
例えばワールドカップに行くために必要な「予選突破」もその1つです。

外部の課題として、「国民の期待」に応えるには勝たなきゃいけない。
勝つ=同点ではダメ、という課題がまた生まれます。

2015年1番と言っていいほど盛り上がったあのラグビーワールドカップ 南アフリカ戦。
日本中を感動の渦に巻き込んだあのトライをみなさん覚えていますか?
後半戦28分のとき32対29。3点差で南アフリカが勝っていました。
ここで監督が出した指示がキック。ここで点をとっていれば同点にはなっていたからです。

ですが、ここで思い出していただきたいのが日本を背負っていた選手たちの課題。
「国民の期待に応えるために勝つ」ということ。
そこで日本の勝利のために、キックではなくトライを狙いにいきました。
監督からはキックの指示が出ていたにも関わらず、最終的に動かしたのはキャプテンの
リーチマイケル選手からの指示でした。
試合中は監督ではなくキャプテンが司令塔となり、日本代表を勝利に導いたのです。

結果的に、トライを決めた五郎丸選手は年間最優秀トライ賞にノミネートされるまでとなり、
その功績は今なお語り継がれています。
ここで重要だったのは「組織を動かせる意思決定が出来る人は誰か?」ということです。

企業であれば最終意思決定は社長となりますが、現場や一会議での意思決定者は異なってきますね。
新しいISO9001ではリーダーシップという言葉で重要視されています。

話を戻すと、日本ラグビーでは「国民の期待に応える」ために南アフリカ戦でキックではなく
トライを狙って勝利を決定的なものにしました。
そこには選手が抱えている課題が共有できていたからこそでしょう。

企業でも課題の共有をしているかしていないかで売上は変わってきます。
課題の共有はどうやってやるのか?という質問をいただくこともありますが、
ISOで言われることの1つには「文書化」です。

単純なことと思う人もいるかもしれませんが、まずは課題となっているものを、
みんなが見えるところに掲示してみてください。

入口でもいいですし、トイレでもかまいません。
当社では、いわゆる「見える化」をすれば行動が変わるものとしており、
行動が変わらないものは単なる「見せる化」と呼んでいます。

全員が課題を共有していればおのずと行動は変わってくるはずです。
反対に、行動が変わらなければ別の課題があるか、もしくは場所を変えてみてください。

ISO9001に「外部及び内部の課題」という表現が出てきたことで
また新たな記録が必要だと頭を悩ませている人もいるかと思いますが、良い機会だと思ってください。
課題を共有するためのツールとしてよりISO9001が使いやすくなったのではないでしょうか。

次に課題の洗い出しについてですが、新しい規格ではその項目について限定はされていません。
会社単位でもいいですし、拠点または部署単位、はたまた一担当者単位でも、各自に課題を考えてもらいましょう。

仕事をしやすくするためにはどうすればよいか?
売り上げをあげるためにはどうすればよいか?
クレームを減らすためにはどうすればよいか?

振り返ると、日本ラグビーの南アフリカ戦では後半戦で同点ではなく
トライを狙いにいくことが課題となりチーム一丸となって勝利できました。
次に準々決勝進出が目標となり、次の課題としてワールドカップで一番重要な試合とも言われたサモア戦では、
5対26と圧倒的な勝利をおさめてくれました。

3勝もしておきながら残念なことにベスト8には進出できず、惜しくも予選敗退とはなりましたが、
国内外からの賞賛の声は高くこれもまた1つのパフォーマンス評価となったことでしょう。

さらには次のワールドカップ2019年を見越し、「ラグビー選手を育てる練習が必要であること」を
ジョーンズヘッドコーチは新たな課題として掲げ、リーチマイケルキャプテンも
「勝つために何が必要か」「勝つ文化ができた」ことを伝えていくこととしています。

ISO9001で言うところの「内部の課題」です。

さて、今回は日本ラグビーでお伝えしてまいりましたが、ISO9001はラグビーでも
共通するものだということが少しでもイメージいただけたでしょうか?

従来のISO9001では仕事に無理矢理結びつけている企業も多く見られます。
「当てはまる!」という担当者の方、今回の改訂された規格で新たにISO9001を作りなおしてみるのも手かもしれません。
どうすればいいの?という方はISO総合研究所までお問い合わせお待ちしております。