小説で解説!個人情報漏えいについて ~『バタフライ・エフェクト』Vol.1~


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ISO総合研究所Pマーク(プライバシーマーク)コンサルタントの上岡です。
最近めっきり寒くなってまいりましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

さて、今回のコラムは少し趣向を変えまして、小説仕立てで書いてみました。

「なんで小説?」と聞かれると、私の趣味が小説を書くことだからだったりするのですが、普段のコラムよりも身近な例として、個人情報が漏えい(社外に情報がもれてしまう)や毀損(個人情報の一部が壊れて完全でなくなってしまう)、滅失(個人情報が全部なくなってしまう)などの事故があった場合

個人情報の本人にはどんな悪い結果が起きるのか?
どうすれば起きなかったのか?

を感じていただけるようになるかと思います。
どうか最後までお楽しみいただければ幸いです。

『バタフライ・エフェクト』Vol.1

今朝は少し寝坊をしてしまった。
最近、体力が疲労感を覆っていくように感じる。

朝起きてから40分で支度をして、走りやすいように低めのヒールを履く。
駅まで走る道すがら今日のスケジュールを反復する。

家から全力で走ったからか、思っていたよりも余裕をもって駅についた。
ICカードを押し当て、構内に入る。

10号車の列に並ぶと、通勤快速が目の前を過ぎていった。
普通列車しか止まらない小さな駅。あと3分の待ち時間をどう潰そうかとiPhoneを起動した。

特段何を焦る必要もないのに、最近フェイスブックを見ては疲れている。
この待ち時間の間に開いてため息を吐いた。

知り合いの投稿は幸せに満ちていて、見ていると心がずっしりと重くなる。
そうとわかっているのに開いて見ては「いいね」を押す自分にも、なんだか重いものを感じている。

結婚適齢期という言葉があるけれど、自分はそれに差し掛かっている。
27歳、5年ほど付き合っていた彼とは半年前に別れた。そういうこともあってか、気持ちの上でなにかの焦りがある。
自分への慰め含め、その必要は、ないと思うけれども。

空虚な気持ちで画面をスクロールしていくと、高校時代の友人の投稿が目に入った。

「3年A組の同窓会を開催します」

一瞬、心が色めき立つ。
9年も前になるのかあ、あのときは部活に勤しんでいたっけ、担任の先生は元気かな、隣の席の子が――。

そう思っていると目当ての電車が入ってきた。
一度iPhoneを閉じ、電車に乗り込む。

電車を降りて会社までの道のり、友人にメッセージを送ることにした。

「久しぶり!参加したいのだけど、詳細送ってくれる? 」

送信ボタンの前で数秒考えて、それからえいと押す。
なんだか途端に恥ずかしくなってきた。
画面を閉じてポケットに入れ歩きだすと、微妙に振動する。

「久しぶりー。まだ詳細って詳細は決まってないけど、1月20日を予定してるよう」
「あ、そうなんだ? とりあえず行けそうだから、予定空けておくね」
「よろしくねー」

なんだか面食らってしまった。
もっと、同窓会って幹事の人がきっちり仕切っていて、全部決まってから告知されるような大きな会だと思っていたのだけど。

現実問題としてまだ予定段階なのもしょうがないのか、と思っていると会社の入り口に着いた。
やっと一段落ついたような気持ち。
セキュリティカードをカバンから取り出し、エレベーターホールに急ぐ。

昼休みになってiPhoneを見ると、同窓会の幹事からメッセージがいくつか届いていた。
結構集まりが悪いらしく、なかなか規模感がつかめないので計画しにくいということだった。
だから声をかけてくれると助かるとのことで仕方ないので了承した。

部活の仲間に、他に誰かいたっけ。
お昼ご飯のガパオライスを食べながら指折り数える。

それから、それから……。

目玉焼きの黄身をスプーンでぐちゃぐちゃと混ぜているとふと思いついた。
そういえば隣の席の女の子誰だっけ。
一度読み方を間違えてむっとさせたことがあった。確か、ま、まつりちゃん。

そういう子もいたなと思いながらフェイスブックで検索をかける。
何名もずらっと出てきた中で、なんとなく見たことある顔があった。
アイコンにタッチし、写真をアップする。

髪を染めて化粧をしているが、目鼻立ちが高校時代とかわらない。
ああ、そうだ。こういう顔だった。一ノ瀬茉莉ちゃん。

あれ、一ノ瀬だったっけ。あ行の名字じゃなかった気がする。
彼女のページをスクロールしていくと、アイコンとヘッダー画像を変更した記録しかなかった。

連絡がつかないかもなあ、と思いながらメッセージを送ってみる。

「久しぶり!元気?
ねえ、1月20日の高校の同窓会、行く?」

まつりちゃんからの返信は危惧に反してずっと早かった。
帰宅途中の電車の中でそのメッセージをみて、思わず頬がほころんだ。

「久しぶり! 同窓会かー行きたいんだけどその日用事だ~」
「そうなんだ……残念だけど、じゃあまた誘うね」
「よろしくね。でもほんとに久しぶりー高校生以来だから何年ぶりだっけ?」
「9年ぶりかなあ」
「そかそか! はやいなあ(笑)まだあの地域に住んでるの?」
「うん。といっても一人暮らししてるけどね」
「そうなんだ。なんか変わったね~」
「そう? まつりちゃんこそ名字かわった、よね?」

聞きたかったことに踏み込む。
幹事にも聞き、昔の名字は思い出した。水島茉莉ちゃんだ。
一ノ瀬は、結婚後の名前だろう。
なんだかどきどきしながら返事を待っていると、まつりちゃんから「そうだよー」とだけ返事があった。

「やっぱり! 写真見るまで気が付かなかったもん。水島さんって高校の時よんでたし」
「そうだっけ笑」
「そうそう。結婚してるってことは、もう実家には住んでないの? たしか、高校の近くだったよね」
「もう出てるよ~。というか実家周り結構かわっててねー」
「あーあの辺、公民館が移築されたから、結構風景変わったよね。公園もなくなったし」
「そうなんだ」
「あれ。水島家から近かったよね、あの公園」

数度、休んでたときにノートを貸し借りした記憶がある。
そのときは確か「公民館の公園近くの水島家」を頼りに行ったのだっけ。ああ、いろいろ思い出してきた。

電車を降りて、夜道を歩く。
駅を数分離れると、このあたりは街灯が乏しく、とても暗くて、怖い。
細い路地があたりに伸びていて暗がりの中見つめられているような気配すらする。

「うん。近かったよ」
「記憶違いじゃなかったー。また予定があったら一緒にお茶でもしようよ」
「わかったよ。ありがとう」

ふう、っと息を吐く。
懐かしい勢い、お茶に誘ったけど悪く思われなかったかな。

ヒールの音が静かな夜道に反響する。
なんだか途端に恐ろしい気持ちになって、私は家路を急いだ。

規格要求事項

プライバシーマーク(JISQ15001:27001)A3.4.4.2開示等の請求等の求めに応じる手続きには、

a) 開示等の請求等の申出先
b) 開示等の請求等に際して提出すべき書面の様式その他の開示等の請求等の方式
c) 開示等の請求等をする者が,本人又は代理人であることの確認の方法
d) A.3.4.4.4 又はA.3.4.4.5 による場合の手数料(定めた場合に限る。)の徴収方法

を定めておく必要があると書かれています。

特に、本人からの請求に対してあまり多くの書類を書かせないことといった負担にならないことが挙げられていますが、その他にも情報を見せたり、修正したりと本人の情報を触るので請求している相手が本当に「本人なのかなあ?」と確認するのも大事なこととなっています。

確認方法としては

・運転免許証の内容やマイナンバーカードの表面を見せてもらう
・印鑑証明書と実印等で本人証明をする

という方法が挙げられます。
これらはあくまで会社の話ですが、個人であったとしても普段から友達とは合言葉を作っておくですとか、こちらから「本当に誰それさんかなあ」という確認をしてから情報の公開をしてみると安全性が高まるのではないでしょうか!

いかがでしたでしょうか。
少しでもご理解が深まれば幸いです。

小説『バタフライ・エフェクト』はVol.4までの4部作を予定しております!
次回をお楽しみに!

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最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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